内容説明
側室四十人、子女五十五人と言われた十一代将軍・徳川家斉の治世。爛熟した江戸の文化人のあいだで、ひときわ異彩を放つ人物がいた。滝沢馬琴、平田篤胤ら著名人と親交を結び、幾多の社交場を主宰する薬種商にして国学者・山崎美成である。ある日、珍談奇談を持ち寄る兎園会で、会員の柳川藩士・西原梭江が「先日、大川(隅田川)で陰部を抉られた女の全裸死体を見た」と発言。直後、梭江は何者かに襲われた。事件の背後に巨大な陰謀を直感した山崎美成は、密かに調査を開始。やがて極めつけの精力剤、将軍の回春薬と言われる「木乃伊」の存在にたどり着くが…。時代小説界の俊英が類い稀な着想で贈る大江戸ミステリーの快作。
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