内容説明
やっぱりこの世に女がいなければ、男はただのゴミで、虚栄で、無だ。ジェームズ・ブラウンを抜きにして、今日のポップスもアメリカも語れない。マイケル・ジャクソンにとってJ・Bは、インスピレーションの最大の源だった。―熱さと喜びと苦痛を“芸能力”に変換した天性のショーマンの破天荒な人生。
目次
第1部 オーガスタの少さなダンサー(この子を養うなんて真っ平よ;深い孤独の中で ほか)
第2部 デュオニソス的ミュージシャン(アポロ的生活;星を和ませるべきか、あるいは熊を踊らせるべきか ほか)
第3部 ジェームズ・ブラウン・アフリカヌス(仕事だ、仕事だ;頂上は近い ほか)
エピローグ 俺は逝くよ
著者等紹介
ケクラン,ステファン[ケクラン,ステファン][Koechlin,St´ephane]
作家、音楽史家。モンテクリスト伯賞を獲得した『陪審員』といった半ばフィクション、半ばエッセーである作品もいくつか著している
鈴木知子[スズキトモコ]
翻訳者。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。金融機関で仏英の翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソノダケン
2
育ちが悪すぎるせいかジェイムズは病的なケチだった。そして暴力と暴言を用いてバンドに恐怖政治を敷いた。当然フレッド・ウェズリーなど、ファンクと呼ばれる新しい音楽を共同で創造した腕利きのメンバーは彼のもとを去った。ジェイムズの芸術的進歩が止まってもおかしくない状況だ。しかし彼は冷酷なだけの男ではなかった。なんとも微妙な距離感の盟友ボビー・バードが復帰し、実の息子のように可愛がったブーツィ・コリンズの高速ベースも手に入れた。1970年の「セックス・マシーン」でファンクはついに完成した。2022/08/28