出版社内容情報
野島博之[ノジマヒロユキ]
著・文・その他
内容説明
古墳は残土置き場?明治維新の成功の秘訣は「敗者の理性」?関東大震災さえチャンスに変えた日本人―駿台、東進、学研プライムゼミ…有名予備校でダントツ支持を集め続けるカリスマ講師の授業は、大河ドラマよりも面白い!
目次
第1章 日本、国として歩み出す―原始・古代(原始~縄文時代 日本の起源;弥生時代 「戦争」の歴史の始まり ほか)
第2章 秩序なき世の申し子、武士の大躍進―中世(平安時代 武士誕生の背景;鎌倉時代 鎌倉幕府の誕生 ほか)
第3章 実力主義から身分社会へ―近世(安土桃山時代 信長というトリックスター;秀吉というアイデアマン ほか)
第4章 敗者の理性と勝者の興亡―近代(幕末~明治時代 敗者の理性に支えられた革命;明治時代 「勝者」新政府の抱える問題 ほか)
第5章 すがるべき原理の喪失―現代(昭和時代 オキュパイド・ジャパン;昭和~平成時代 独立したのはいいけれど ほか)
著者等紹介
野島博之[ノジマヒロユキ]
学研プライムゼミ講師。三重県四日市市生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は日本近現代史。駿台予備学校講師、東進ハイスクール講師を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こばまり
52
受験歴史のまま錆び付いていた脳髄がギギギと動き出すが如く面白かった。先頃読んだ出口治明氏に言わせればお薦めしない図書に当たるのかもしれないが、要点がサクサク掴め点が線となり、さすがはカリスマ講師である。歴史書や時代小説を手に取りたくなる。2020/04/12
kana
45
日本史の本を夢中で読む日が来るなんて。私の日本史は高校受験で途切れてましたが、1年かけて授業受けるより一気に振り返った方が歴史のダイナミズムがわかるし、やはり予備校講師の方の語りは素晴らしい。少ない頁数でも著者なりの言葉で出来事のWHYが示されるので考えさせられることしばしば。所有権あり方、租税の仕組み、意思決定の方法等の試行錯誤に国家という枠組みの難しさと奥深さを再認識。外圧や天災に翻弄され、すぐに腐敗する権力者のエゴにまみれながら、確かな学びと経験に支えられた1人の強い意志で大きく時代が動いたりする。2019/02/13
ちゅんさん
43
難し過ぎず易し過ぎず、いい日本史の復習になった。もちろんまだまだ足りないのでこういう通史系の本をあといくつか読んで興味のある時代の本に移りたい。2021/09/09
Kentaro
40
日本人のルーツには、縄文人と弥生人という二つの系統がある。縄文人は南方、弥生人は北方由来だ。又、我々の歴史は、多くの渡来人によって支えられてきました。ヤマト政権の制定した氏姓制度では渡来人にも姓を与えていたし、神道は、仏教・儒学・国学などあらゆるものと融合することで、自らを語ってきた。渾然一体、これこそが日本という国のカタチをつくってきたのだ。日本は島国なので、ここは日本という一つの国だという意識が残りやすいが、たとえば江戸時代は、280くらいに分かれた小国連合体に近い状態で、これを幕藩体制と呼んでいた。2020/01/23
assam2005
25
「何が起こったのか」ではなく「何故起こったのか」に焦点を当てて、古代から平成までの出来事をあらすじとして語る。予備校の講師の方なので、カリスマ講師の授業を聞いているかのようでした。(いや、実際カリスマ講師なのですが。)教科書には書かれていない細かい事情を話してくれるので、「ああ、そういうことだったのね」と思う箇所がチラホラ。幕末の開国辺りがちょうど真ん中。学校の授業で「間に合わない」と駆け足するあたり。ここから細かい説明が増えており重要なのだなと感じます。歴史って単なる暗記物ではないんだな、と思えました。2018/10/15