出版社内容情報
林望[ハヤシ ノゾム]
内容説明
壇浦合戦、先帝身投、重衡被斬、六代、大原御幸…巻第十から巻第十二、潅頂巻を収録。落涙。林望平家、ついに完結!
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得満期退学(国文学専攻)。東横学園女子短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。1984年から87年にかけて、日本古典籍の書誌学的調査研究のため、イギリスに滞在。その時の経験を綴ったエッセイ『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年に日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、作家デビュー。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年に国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年に講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
8
家系図もついていて、とても読みやすかった。「生者必滅、会者定離」の世に詠まれた和歌も楽しめた。2017/01/15
のら
4
軍記部分に合わなかった丁寧な文体が、灌頂巻では心に沁みました。解説なしで、余計な創作が入ってない作品は作家の作品では少なくて、貴重なものになると思います。2016/12/21
Aki
2
ついに最終巻。平家物語とはかくも哀れで静寂な物語だったのかと。従前慣れ親しんだ平家物語は、判官義経の縦横無尽の活躍を活写する戦国絵巻というイメージだったが、今回林望版を通読して印象が反転した。あまりにも有名な冒頭で語られるごとく平家一族の盛者必衰の哀れを、美しい日本語で語り聞く物語なのだと。2017/06/26
でろり~ん
2
通読できたことに関して訳者に感謝です。多くのエピソードが別の形の芸能としてそれぞれピックアップされていることに改めて気付きました。日本文化の根底をなす要因だったんですねえ。読んで良かったです。訳者は音読を推奨されていますが、そういう文体ではないと思います。源氏の世の中に語り始められたからなのか、諸悪を平家、特に清盛に負わせていますが、どうもね、ここに描かれている源氏は好きになれません。平家より悪逆だし、殺し過ぎ。やる事なす事文化レベル低いっす。王族貴族もなんだかなあという人ばっかり。今も一緒か。。。2017/05/23
タオルケット
2
一巻から読み始めた時は、感情のひとつの表れとして涙しまくる登場人物たちに驚きを感じていたのに、最終巻ともなるともう、一緒に涙せずにはいられなかった。平家物語は、悪者退治の話ではなくて様々な宿命を背負った人々の物語なのだということを痛感した。2017/04/18