内容説明
倶利迦羅落、宇治川先陣、木曾最期…巻第七から巻第九までを収録。戦いはクライマックスへ!都を落ちる平家一門。ついに一の谷の合戦へ―。
目次
巻第7(清水冠者;北国下向;竹生島詣 ほか)
巻第8(山門御幸;名虎;緒環 ほか)
巻第9(生ずきの沙汰;宇治川先陣;河原合戦 ほか)
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒。同大学院博士課程修了(国文学専攻)。東横学園女子短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。1984年から87年にかけて、日本古典籍の書誌学的調査研究のため、イギリスに滞在。その時の経験を綴ったエッセイ『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年に日本エッセイスト・クラブ賞を受賞し、作家デビュー。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年に国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年に講談社エッセイ賞を受賞。『謹訳 源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年に毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
7
鎧や兜等の説明も詳しく書いてあり、子供の頃見た大河ドラマのシーンが脳裏をよぎる。北の方の最後のシーンは記憶にないけれど、はかなくも美しい。当時怖い場面は眼を背け耳を塞いだ記憶を思い出した。2016/12/23
でろり~ん
2
その昔から言い交され、語り伝えられてきた話を一巻にまとめたのが平家物語なんでしょうから仕方ないんでしょうけれど、語り手の視点が気持ち悪く移動していますね。この時代、弓と太刀が主なんですね。槍が出てこないです。銃文化と違って刀で人を斬るのはかなりの覚悟が居るんだと思います。命のやり取りと生き残された者の切なさと、この巻がクライマックスでしょうか。にしても源氏、やり方が汚い感じ。卑怯とさえ感じる。まだ終わりじゃないし、なぜそこまでする必要があったんでしょうか。逃げ道を残さないその戦術に全く文化を感じないです。2017/05/17
Aki
2
ようやく良く知っている平家物語ぽくなる。こちらが原典に忠実だが。語り聞かせ物特有の一話一話が短く、めまぐるしく場面が変わるのにも慣れてくる。一場面一場面がとても美しく彩られているのが印象的。2017/05/07
タオルケット
2
戦のシーン多めの巻。勢い良い文体が多く、心の中で講談調にしながら読んだ。源氏の活躍と天下を治める様が中心だけれど、平家の雅な部分や木曽義仲のくだりがあって、おもしろかった。2016/12/17
のら
2
平家ダメだわ〜。重衡捉えられて、もう能登守・教経しかまともに闘える大将いないし。比叡山を味方にしようと氏神を厳島神社から日吉神社に変えた神罰としか。厳島神社の管轄権の西海で闘うのにそんなことしちゃダメだわ〜。宗盛が弱気な判断しかできないからこんな目に。もうツライ。木曽殿はあまり好きじゃないけど、最期は哀れよね。次の巻では平家が滅んでしまうのが分かってるから、悲しいです。真面目に書くと泣きそうなくらい〜。文体が常体と敬体が混じってるのが苦手。軍記物だしザラっとした感触の言葉を選んでほしかったな。2016/07/15