僕たちは戦後史を知らない―日本の「敗戦」は4回繰り返された

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  • サイズ B6判/ページ数 292p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784396614782
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0030

出版社内容情報

現在は、過去とどうつながっているのだろうか。
出来事がどのような形でつながり、積み重なっていったのか、その因果関係や必然性を理解する視点を持つのが「歴史を知る」ということである。
過去、日本は同じような出来事を繰り返してきたが、本書ではこれを「歴史のリピート機能」と捉える。
1975年に高度成長の終焉を迎えた日本は、バブル経済の崩壊を1991年に迎えた。
1980年代に中曽根政権下では電電公社、専売公社、国鉄が民営化されたが、2000年代にも道路公団、郵政事業の民営化が行なわれた――。
こうした戦後史観によって、1945年以後の日本のあり方について、首尾一貫した必然性のもとに歴史をとらえる視点を見出していくのが、本書の狙いである。

【著者紹介】
佐藤健志(さとう・けんじ)1966年東京生まれ。評論家、作家。東京大学教養学部卒業。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞。作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開する。著書に評論集『震災ゴジラ!戦後は破局へと回帰する』『夢見られた近代』『本格保守宣言』、小説『チングー・韓国の友人』など。編訳書に『新訳 フランス革命の省察』がある。社会分析とダンスの融合も試みており、ネットにて動画を配信中。

内容説明

玉音放送の流れた日だけが敗北ではない。この国は今なお「敗戦直後」を生きている。「歴史のリピート機能」を鋭く剔出した、かつてない戦後史の視点!

目次

第1章 「終戦」を疑え(1941年~1947年)
第2章 「負けるが勝ち」のカラクリ(1945年~1948年)
第3章 占領の舞台裏をさぐる(1945年~1949年)
第4章 幻想を捨てずに独立する方法(1949年~1959年)
第5章 高度成長という風景(1960年~1972年)
第6章 戦後は終わっても終わらない(1972年~1980年)
第7章 螺旋階段の三〇年(1980年~)

著者等紹介

佐藤健志[サトウケンジ]
1966年東京生まれ。評論家、作家。東京大学教養学部卒業。1989年、戯曲「ブロークン・ジャパニーズ」で文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞。作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開する。社会分析とダンスの融合も試みており、ネットにて動画を配信中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

19
第二次世界大戦、太平洋戦争、あの戦争は日本の負けだった。日本は負けたのに「敗戦」と言わず「終戦」。しかも、8月15日という、間違った日付で。世界史上では、9月2日戦艦ミズーリ号上で行われた降伏文書の調印で終戦となる。ここからして、日本人のウソ、ごまかしの始まりなのだ。筆者が述べる「ファンタジーの戦後史」は、敗戦後これまでの日本の政治や経済、外交の迷走をスッキリと解き明かしてくれる。そして、これから日本が選択すべき厳しい道を示している。これまでのらせん階段とは違う、「戦後のリピート機能」を解除する道。2018/08/11

Y田

12
戦後の日本人の精神性、精神構造について論じた内容。面白い観点だと思う。筆者は敗戦後の日本は「戦後のファンタジー」という世界観の元で成り立って来たという。それは「アメリカが真の日本の理想を引継ぎ、公正平和な新世界秩序が形成される」というもの。日本は負けてない。それゆえ敗戦ではなく「終戦」となるのだと。戦後史とは、このファンタジーを維持する為に生まれた歪みの様なものだという。戦前、戦後は分離している訳じゃなく連続した時間である事を認識し直さないといけないのかもしれない。歴史も色んな見方があるなと思う。2020/01/26

hk

9
”日本人は建前として戦前を否定・反省している素振りをみせているが、本音では戦前を否定も反省もしていない。あまつさえ建前と本音のギャップに当事者たる日本人自身が気づいていないのが根源的な問題である”と著者の佐藤氏は喝破してみせる。また大東亜戦争で大日本帝国が掲げた八紘一宇の精神を、アメリカが終戦直後において「新世界秩序」という形で実現しかけたことで、日本は敗れてなお戦争目的を遂行したのだという窮余の認識が日本人の中で熟成された。だが冷戦の勃発によってその物語はいきなり画餅と化す。こうして戦前と戦後が断絶され2016/04/23

ほっしー

9
タイトルの通り、戦後史について書かれた本。終戦の定義についての記述を読んで、鎌倉幕府の成立年はいつか?という話を思い出した。基本的に1945年8月15日になっているけど、解釈によってはその日付も変わってくいるということか。読み慣れないジャンルの本で、途中で中断していた時期があり、あまり理解することができなかった。ただ、日本の「何でもあり」の感じは良い意味でも悪い意味でもわかるなあと思った。他にもこういうジャンルの本を読んでいけば理解が徐々に深まっていくかな。2014/11/07

Riopapa

8
チャンネル桜で著者をよく見るが,その語り口が文章からも伝わってくる。戦後の日本人はファンタジーの中に生きてきており,敗戦が4回も繰り返されたというのは,なるほどという感じ。消費税をアップして,また不況になったら,5度目の敗戦ということになるのだろうか。2019/01/06

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