内容説明
「ドイツ参謀本部」とは軍事史上、世界の国々の手本となったばかりでなく、近代における大規模組織の元祖として、国家や大企業等にも大きな影響を与えた一大組織。プロイセン時代にナポレオン戦争の過程で組織され、モルトケの時代に完成を見た。リーダーとスタッフの関係論として格好の素材にあふれ、今日でも組織を論じる際の、教訓の宝庫である。
目次
第1章 近代組織の艦 ドイツ参謀本部―フリートリッヒ大王が制限戦争時代に残した遺産(「教訓の宝庫」としてのドイツ参謀本部;ヨーロッパの陸戦史、四つの時代区分 ほか)
第2章 かくて「頭脳集団」は誕生した―ナポレオンを挫折させたプロイセン参謀本部の実力(プロイセン軍の動脈硬化;どん底に落とされたプロイセン ほか)
第3章 哲学こそが、勝敗を決める―世界史を変えたクラウゼヴィッツの天才的洞察(改革思想の余燼(ボイエン;グロルマン)
参謀本部の独立 ほか)
第4章 名参謀・モルトケの時代―「無敵ドイツ」を創りあげた男の秘密とは何か(文学的素養と文学者的外見を持った軍人;侍従武官から参謀総長へ ほか)
第5章 「ドイツの悲劇」は、なぜ起きたか―ドイツ参謀本部が内包した“唯一の欠点”(リーダーなきスタッフの悲劇;シュリーフェン・プラン ほか)
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
昭和5年、山形県鶴岡市に生まれる。上智大学を卒業後、独・ミュンスター大学、英・オックスフォード大学に留学。現在、上智大学教授(英語学)。平成6年5月、ミュンスター大学より名誉博士号(Dr.Phil.h.c)を授与される。専門の英語学において国際的業績を収めると同時に、文明・歴史批評の分野においても、幅広い活動を行なっている
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