出版社内容情報
日本と韓国を代表する香辛料、ワサビと唐辛子。この2つの香辛料が人体に及ぼす作用は、実に見事に両国の国民性を物語る。鎮静を促すワサビに対して、興奮状態にさせる唐辛子。本書は、日本と韓国のまったく対照的な特性を、実に様々な角度から鋭く分析、新しい発見に満ちた比較文化論! 無益な摩擦の時代を超えて日韓の新世紀はここから始まる。 (祥伝社販売課石原オススメの一冊)日韓ワールドカップを間近にして、文化の違いを分かり合うために――必読の一冊。
内容説明
ワサビも唐辛子も、「辛い」ということでは同じだが、辛さの質には大きな違いがある。ワサビは、身体の内側にジーンと染みわたるような辛さ。唐辛子は、頭のてっぺんからカーッと立ちのぼるような辛さ。「吸収」と「発散」のイメージなのだ。ワサビの辛さは「受け身」の姿勢を、唐辛子の辛さは「能動」の姿勢をイメージさせる。実際、日本人は、つねに自分を「受け身の立場」に置こうとする傾向が強いし、韓国人は、つねに自分が「能動の位置」に立とうとする傾向が強い。まさに正反対なのである。もうひとつ、ワサビの辛さは鼻にツンと来て涙が出るが、それは一瞬で消え去る。一方、唐辛子の辛さのほうは、料理を全部食べ終わった後でも、まだ汗が引かないほど長続きする。これも、淡白であっさりした日本人と、粘り強く持続力のある韓国人を象徴しているかのようだ。そんな具合に、ワサビと唐辛子に重ねた日韓の話は尽きない。本書は「唐辛子文化」の中で育った著者が、日本および日本人を「ワサビ文化」という角度から眺めたときに見えてきた、さまざまなシーンを描写したものである。
目次
プロローグ 「イギョラ(勝て)」と「負けるな」―対立を避けようとする日本人
第1章 原理原則を持たない日本人―自然信仰と日本人の理念
第2章 謎に満ちた“日本美”の秘密―日本人は“見立て”の天才
第3章 「和の国・日本」の素顔に迫る―なぜ、日本では“人並み平等”が理想とされるのか
終章 「受け身文化」の日本人―“自然”の力に対する崇敬の念が、日本をつくった