出版社内容情報
衝撃を受けるとともに、深い感銘を覚えた――渡辺淳一氏
どっちみち、もう長くは生きられないようです。
全員に覚悟がせまられています。
苦しみを持たずに逝きたいのが、
私の望みなのでオランダではこの点は可能です。
ぎりぎりまで生きようとさえしなければね。
私の希望は、心が迷わないうちに、冷静なうちに、早く逝くことです。
――ネーダーコールン靖子――
日本人で、自ら安楽死を求めて実行された例が、オランダに在住していた、五十二歳の女性であったことに、衝撃を受けるとともに、深い感銘を覚えた。もし不幸にして不治の病いになり、苦痛が激しいとき、人間らしい終焉を迎えたいと願うのは、誰しも同じことである。だが現在、日本ではこの種のことは正式には認められず、ごく一部で、それらしいことが暗黙のうちにおこなわれているいるのが、実情である。この書は、そうした日本人的な曖昧な精神風土に一石を投じるとともに、個人の尊厳、そして美しく生きるということについて、改めて深く考えさせてくれる。――渡辺淳一氏(作家)
(祥伝社販売課大胡田オススメの一冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャンズ
6
一気読み。様々な感情が掻き起こされて読後しばらくは興奮状態でした(体の痛み、精神的な苦しみ、オランダの家族、日本の家族、、、)どれをとっても簡単には折り合いを見つけることはできないが、苦しい中で自分なりの答えを見つけた。私は同じ時期にオランダに住んでいたことがあり、彼女のことは風の便りで知っていた。偶然図書館で見つけた本。オランダの合理的な国民性から生まれた「安楽死」。そして安楽死には3種類あることを知る。病床においてこれだけの日記が書けるバイタリティーに驚く2023/12/21
takao
1
ふむ2021/11/11
mn
1
家族や友人との信頼関係があったからこそ選ぶことができた安楽死。〝安楽〟とは言えないほどの苦しみに耐えて生きる事に望みをかけ、それでも安楽死を選んだ日本人女性の日記を読める事をありがたく思う。2020/03/09