出版社内容情報
“一字”の指南を願う者、
“青い墨”を探し求める者、
“弁才天”の遺言を託す者――
伝えたい言葉からたった一つ。
様々な「想い」を抱えた依頼人に、
心が視える筆耕師が救いの“言葉”をおくる。
感涙の人情時代シリーズ第三弾!
筆耕師数馬の書に惹かれ、古着屋の長男月彦が教えを乞いにきた。美しい字を書きたいという真っ直ぐな思いに応え、数馬は指南する。筋はよいのに自らの手跡に納得できぬ月彦は、数馬の墨色に“違い”を見出す。墨を譲ってほしいと懇願する月彦。だが、その古墨は亡き兄の大事な形見だった。物悲しい月彦の字に触れた数馬は、彼が色を判じられない事情に気づき……。
【目次】
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
21
楽しみな筆耕屋シリーズ第3弾。今作は兄弟間に起こる、思いやり、憎しみ、劣等感等、依頼人が心の内に抱えている想いを、声を失った筆耕屋・数馬が、その依頼人の書く文字から読み解いていく。なくてはならない存在の姪の春佳も9歳になり、益々賢く達者な口ぶりで数馬の名バディ役が心強い。弟への想い、子への想い、親への想いと様々にあれど、近しいが故に言えない想いは何とも切ない。おりんとの距離も段々と近づいてきてはいるけど、この辺はもどかしいったら。"この世には言葉にしなくてもいい思いもある"に込められた数馬の想いも胸アツ。2026/04/09




