出版社内容情報
商家の大爆発、空を舞う振袖、豆腐小僧の怪……
立ちはだかる数々の謎
罪なき者、この私が庇ってみせる。
訳あり手習い師匠の弁之助は、
火付犯とされた男を救うため、お白洲に立つ!
暁の町に轟音がとどろく――漆問屋が爆発、主人は焼死した。捕縛され罪を認めたのは手代の男・忠吉。だが牢屋敷の混乱に乗じ逃げた忠吉は、大名家の子息で今は町人身分の弁之助に、無実を訴えた。公事方御定書編纂にも関わった弁之助が調べると、現場に火薬の痕跡は無く、火事の折美しい振袖が空を舞ったという噂が。弁護する者なきお白洲で、弁之助が冤を晴らす!
内容説明
暁の町に轟音がとどろく―漆問屋が爆発、主人は焼死した。捕縛され罪を認めたのは手代の男・忠吉。だが牢屋敷の混乱に乗じ逃げた忠吉は、大名家の子息で今は町人身分の弁之助に、無実を訴えた。公事方御定書編纂にも関わった弁之助が調べると、現場に火薬の痕跡は無く、火事の折美しい振袖が空を舞ったという噂が。弁護する者なきお白洲で、弁之助が冤を晴らす!
著者等紹介
河合莞爾[カワイカンジ]
熊本県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。2012年『デッドマン』で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
73
なるほど!かばい屋とは庇う役!思いもよらない苦悩への救いの存在たる庇に重ねるのもいい!大火多き江戸を舞台に起きたある漆問屋での大爆発!主人の死への罪なき者の冤(ぬれぎぬ)を晴らすべく、武士を捨てた町人身分の弁之助の活躍はいかに!?いやはや、火事の原因となるトリック解明も鮮やかながら、とにかく登場人物それぞれの伏線回収が素晴らしく半端ない!冒頭から存在感たっぷりの豆腐小僧の役割たるや!?(笑)予想のつきやすい真犯人の醜態への憎たらしさも、主役の圧倒的な変貌によって霞むばかり!これ絶対にシリーズ化を熱望する!2025/01/05
あっちゃん
19
好きな作家さんで時代もの!以前もあったけどソレのシリーズかしら?と思ったら新たなシリーズ?かばい屋って、本当に庇うやつの事!仕事になるの?(笑)謎解きの場がお白州って原点だなぁ( ̄ー ̄)2024/08/31
み
19
さくさくと♪かばい屋って?とタイトルを見て思ってましたが、弁護士さんの先駆けってことでしたか。すでに仲間候補が紹介されてたのでシリーズ化しますよね。楽しみです(^_-)-☆2024/08/06
陽ちゃん
7
多分、初読みの作家さんです。冒頭いきなり豆腐小僧がでてきてびっくりしましたが、この豆腐小僧、後々重要な役割を果たしています。主人公弁之助の出自がかなりやんごとなき御身分ですが、実際には、町人として一人暮らしなんかするのは難しいでしょうが、そこは小説ですから、ね。現代の弁護士のような立場をめざす弁之助の、市井の人々を見る目が公平でいいですね。2024/07/30
ワンモアニードユー
4
お気に入りの作者なので読了。うーん、主題や伏線はやはり見事なのに、どうも粗過ぎる。面白いものの、ちょっと他者には薦め難い。2024/07/07