出版社内容情報
輿入れした大身旗本は破綻寸前。
嵌められた花嫁を、愛する人々を、市兵衛は護れるか。
虚飾にまみれた名門の奸計を斬る!
鬼しぶ父子も大活躍!傑作時代小説
家格の違いにも拘らず、三千石の旗本岩倉家に輿入れした村山早菜。藩の陰謀で父を失うも唐木市兵衛に助けられた川越藩士の娘だ。だが、幸せは束の間だった。市兵衛は兄・片岡信正から、岩倉家の逼迫した台所事情を知らされ、憤る。早菜の幸福を願う後見人の大店両替商《近江屋》の財を貪らんとする卑劣な縁組か。そんな折、変死体を調べる渋井父子は妙な金貸の噂を聞く。
内容説明
家格の違いにも拘らず、三千石の旗本岩倉家に輿入れした村山早菜。藩の陰謀で父を失うも唐木市兵衛に助けられた川越藩士の娘だ。だが、幸せは束の間だった。市兵衛は兄・片岡信正から、岩倉家の逼迫した台所事情を知らされ、憤る。早菜の幸福を願う後見人の大店両替商“近江屋”の財を貪らんとする卑劣な縁組か。そんな折、変死体を調べる渋井父子は妙な金貸の噂を聞く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
52
生臭い物語でしたが、爽やかな風が吹いている様でした。次作が楽しみになってきます。事の始まりは文政九年(1826)三月上旬、大雨で渋谷川の用水堀の土手が崩れ、埋められていた斬殺体が出てきました。場所は、上渋谷村(東京都渋谷)と原宿村の間の穏田村です。北町奉行所の定廻り方同心、渋井鬼三次(きさじ)は、探索により大阪から来た米仲買商の泰三郎と判明するが。その先が分からず苦労します。この探索に渋井鬼三次の息子で同心見習いになっている良一郎が出てきます。読んでいると楽しくてなりません。息子を見ている様でした。2025/06/15
はにこ
44
市兵衛がかつて助けた早菜の嫁入り。しかし、嫁入り先が何とも怪しい。市兵衛は早菜の家の部下だった富山と探りを入れる。また、鬼渋さんたちも大阪から出てきた男の殺人事件を探るうちに岩倉家に出入りする七右衛門にたどり着く。早菜がなかなか幸せになれなくて可哀想。鬼渋息子がだんだん頼りになるようになってきたな。巳蛇さんがあんまり出てこなくて残念だったけど、青と仲睦まじいのが分かったのは良かった。2024/10/07
baba
33
シリーズ33作目。市兵衛は何作か前に助けた娘早菜の婚儀に招かれる。婚家は早菜の後ろ盾を期待しての婚儀であった。大雨の翌日川に骸がみつかり、同心渋井親子が駆けつけそこから事件が始まる。片岡信正、弥陀之介などの懐かしい人々も登場して安心して読了。2024/08/31
ひさか
30
2024年4月祥伝社文庫刊。書き下ろし。シリーズ通算33冊目。川越藩士の娘早菜さんが登場する回。市兵衛の兄や弥陀ノ介まで登場のわりには、あまりたいした立ち廻りもなく、解決してしまった。もう少し、風の剣の活躍があっても良かったのではないかと思う。2024/06/22
み
23
さくさくと♪最後に、市兵衛さんバッサリと、カッケー^ ^人殺しなのですが。彼女はどうなるのでしょ?2024/06/15