出版社内容情報
『逆転美人』で話題の著者最新書下ろし!
笑いと涙と伏線回収の“呪われ人生喜劇”
500年の眠りから覚めた呪いの人形・お梅。
現代人を呪うつもりが、間違えて次々に幸せにしてしまう!?
果たしてお梅は狙い通り現代人を呪い殺せるのか!
古民家の解体中に発見された謎の日本人形。それはかつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった! 興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られたお梅は、早速彼を呪い殺そうとするが、500年のブランクは長すぎた!? 呪いが効かないどころか、お梅の心霊動画がバズってしまい……果たしてお梅は無事に現代人を呪い殺せるのか。笑いと涙のオカルトハートフルコメディ!
内容説明
古民家の解体中に発見された謎の日本人形。それはかつて戦国大名を滅亡させた呪いの人形お梅だった!興味本位の底辺ユーチューバーに引き取られたお梅は、早速彼を呪い殺そうとするが、五百年のブランクは長すぎた!?呪いが効かないどころか、お梅の心霊動画がバズってしまい…果たしてお梅は無事に現代人を呪い殺せるのか。笑いと涙のオカルトハートフルコメディ!
著者等紹介
藤崎翔[フジサキショウ]
1985年、茨城県生まれ。高校卒業後、六年間お笑い芸人として活動。2014年『神様の裏の顔』(受賞時「神様のもう一つの顔」を改題)で第三十四回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
518
くだらな面白い系のコメディ。お梅の持ち主がかわっていく連作形式となっており、落ちている人形を拾ってリレーしていくことの連続なので、自然と非常に狭い界隈での話となり、それを上手く活用した人間関係の伏線を張っている。とはいえ、それもオマケみたいなもので、やはり肝となるのは、いかに呪いを幸福な結果に転じさせるかとい点にかかってくるわけだが、そこに関しては予想を裏切るような爆発力はなく力業でオチをつけている回もある。日本人の身体が大きくなったせいで瘴気は効かなくなったのに、発情させることは簡単にできていて笑った。2024/10/30
しんごろ
392
戦国時代に作られた人形のお梅。呪いの人形が令和に蘇った。そのお梅を引き取る人間を呪い殺そうとするものの、やることなすこと全てが裏目。瘴気を発すれば相手は運気があがり、悲劇を望めば喜劇。しまいには奇跡を起こさせる。お梅は、五百年前は呪いの人形かもしれないが、現代では天然ボケ人形だ。不覚にも最後は涙が流れてしまった。時間があれば一気読み間違いなし。見事な伏線回収の愉快作品。なぜか読んでる最中、“人生、楽ありゃ苦もあるさ”と、脳内で水戸黄門の歌が流れてた(笑)。2024/09/07
道楽モン
286
作者は芸人さん出身ということで、徹頭徹尾ウケを狙ったかの様なバカバカしさ。素晴らしい。もう後世に名を残そうとか、文学の金字塔を打ち立てようなどという野心は、まったく考えていない潔さ。時代考証とかどうでも良い。おそらく校閲には通っていないだろう中途半端な歴史観も御愛嬌。執筆という地味で苦しい作業を通じて、ひたすら繰り出される読者サービスとしての小ネタの連続に、笑いながら尊敬の念を感じてしまう。呪えば呪うほど、相手が幸せになるという構図こそ芸人的視点だ。たまにはこうした時間の無駄遣い読書も必要と肯定しちゃう。2024/03/10
みこ
280
強い殺人衝動と残虐な自我を持ち自ら動くこともできる呪いの人形であるお梅が500年の封印から解放され現代に蘇り、令和の人々を次々に幸せにしていく物語。悪人が悪事を働こうとしたら誰かを助けてしまった話はこれまでにもあったのだが、ここまで振り切れると爽快である。最後はお梅と直接かかわらなかった人たちまで幸せになっているし。しかも彼らが単純にお梅に幸せを与えられたのではなく、割と自らの意思、会心で幸せに向かって歩き始めているのが良い読後感を与えている。お梅がちょこまかと動き回るシーンで頭に浮かんだのが鬼滅の禰豆子2024/03/26
はにこ
224
戦国時代の人形、お梅。500年の眠りから覚めて、現代人を呪い殺そうとしているけど、お梅が行く先々で物事が良いように回りだす。連作短編になっていて、それぞれの人が繋がっているのが面白い。犬猫に追われながら時には焦げたりしながら人の不幸を願うお梅。これ、シリーズ化しないかな。2024/09/01