出版社内容情報
命あるうちに、おのれの心残りに始末をつけたい。
遠い昔、別れの言葉もなく消えた女に、
市兵衛は初老の豪商の真心を届けられるのか!?
大人気!感涙の時代小説
還暦を前に大店下り酒屋の主・里右衛門が病に倒れた。店の前途もさることながら、 里右衛門の脳裡を掠めたのは、若き日に真心を通わせた三人の女性だった。唐木市兵衛は、里右衛門から数十年も前の想い人を捜し出し、現在の気持ちを伝えてほしいと頼まれる。一方、店では跡とりとなる養子が、隠居しない義父への鬱憤を、遠島帰りの破落戸にうっかり漏らしてしまい……。
内容説明
還暦を前に大店下り酒屋の主・里右衛門が病に倒れた。店の前途もさることながら、里右衛門の脳裡を掠めたのは、若き日に真心を通わせた三人の女性だった。唐木市兵衛は、里右衛門から数十年も前の想い人を捜し出し、現在の気持ちを伝えてほしいと頼まれる。一方、店では跡とりとなる養子が、隠居しない義父への鬱憤を、遠島帰りの破落戸にうっかり漏らしてしまい…。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経て執筆業に入る。2010年に刊行された『風の市兵衛』(祥伝社文庫)がシリーズ化されるや、圧倒的支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
53
宰領屋の矢藤太と唐木市兵衛の活躍の物語です。文政九年(1826)江戸は霊岸島の下り酒問屋の大店「摂津屋」の主人里右衛門は、病で倒れ店を養子の亀松に任せて根岸の寮で養生する。いままでに気が進まないが二度所帯を持ったが長続きせず、子も出来ず。いまは独身です。思いおこせば女房にしたい女が生涯に三人いた、その三人が理由も言わず理右衛門の傍を離れた。その女たちを探し出したくて京橋南の両替商「近江屋」の主人である季枝をとうして宰領屋の矢藤太と浪人唐木市兵衛に依頼する。2024/04/15
真理そら
52
酒問屋の主の依頼で彼がかかわった3人の女たちのその後と現在を調べ手切れ金を渡すという依頼を請け負って矢藤太とともに人探しを始める市兵衛さん。市兵衛さんの立ち回りは少ししかないが、女の人を描く作者の筆が冴えわたっていてこれはこれで満足感があった。2023/10/03
ひさか
30
2023年8月祥伝社文庫刊。書き下ろし。弐シリーズ12作目。通算32作目。前作から1年2か月ぶり。三人の女性を探す依頼された市兵衛のお話。三人それぞれの昔語りがあり、三つの連作短編のような感じ。八藤太も市兵衛と一緒に探索に協力し、鬼渋とも絡む展開になるのだが、話は小粒で、市兵衛の剣技も少しだけ。ぬるい!。のほほん市兵衛も良いですが、次は修羅場の市兵衛をお願いします。そういえば、市井の仕事依頼ルートが今回、確立しましたなぁ。今後の展開に関わってくるかな?。2023/09/26
ぶんぶん
20
【図書館】シリーズ、最新刊! どうも市兵衛の世界観が違って来てる様に思われる。 「介錯人」のシリーズもそうだが人間の心理に沿った書き方を模索しているみたいだ。 市兵衛には剣戟の楽しさを求めるのだが、どうもしっくり来ない。 こんな話は「介錯人」でしっとり描けば良いと思う、市兵衛には市兵衛の世界観で勝負して欲しい。 今回は「鬼しぶ」も出て来たが、付け足しの感は否めない。 市兵衛~ガンバレ~ 2023/12/13
み
20
さくさくと♪市兵衛さんと矢藤太さんがメインな感じ。バッサバッサは控え目でした。2023/10/03
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- 和書
- 戦国の城と館 九州の中世