出版社内容情報
ギャンブラーの父、再婚する母、将棋の天才の姉、普通すぎる僕。
離れても、ケンカしても、いつだって家族。
ズレた家族の歩みが愛おしい、
胸をゆさぶる家族の物語。
小学六年の春、父ちゃんが姉ちゃんを連れて家を出た。ふたりは賭け将棋で気ままに暮らしている。姉ちゃんの将来を案じる僕は、会うたびにその日暮らしを咎めるのだが、楽しそうなふたりがどこか羨ましい。
将棋の天才の姉ちゃんと、いたって普通の僕。ドラマチックな人生に憧れる僕は、なにかとやらかす父ちゃんと姉ちゃんを放っておけず……。心にしみる家族小説。
内容説明
小学六年の春、父ちゃんが姉ちゃんを連れて家を出た。ふたりは賭け将棋で気ままに暮らしている。姉ちゃんの将来を案じる僕は、会うたびにその日暮らしを咎めるのだが、楽しそうなふたりがどこか羨ましい。将棋の天才の姉ちゃんと、いたって普通の僕。ドラマチックな人生に憧れる僕は、なにかとやらかす父ちゃんと姉ちゃんを放っておけず…。心にしみる家族小説。
著者等紹介
桂望実[カツラノゾミ]
1965年、東京都生まれ。大妻女子大学卒業。会社員、フリーライターを経て、2003年『死日記』でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞しデビュー。2005年刊行の『県庁の星』が映画化されベストセラーに。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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エドワード
33
両親の離婚で別々に暮らす家族。真面目な母と弟の守。だらしない父と姉のりか子。こんな家もあるんだなあ。将棋の強いりか子だが、気分次第だ。りか子の賭け将棋で、気ままに暮らす父親が強烈だ。1965年生まれの守から見た家族の姿。時代背景を肌で感じる。守は父と姉が心配で仕方がない。会社員になる弟。妊娠し結婚し離婚する姉。対照的な姉弟の絆がいい。膨らむ一方の父の借金を、賞金で返済すべく、姉は将棋の対局に挑むが…。最後は父ががんで余命1年。まっとうな生活とは何だろう。「バカな親ほどほっとけない」ホロリと和やかな結末。2023/03/25
Karl Heintz Schneider
8
「家族っていうのは、やっかいだな。」「だが、家族だからしょうがない。」特に子どもにとって、親兄弟というものは 好んで、いっしょにいるわけではない。時にはウザいこともあるけれど、それが家族。やっかいだけど愛おしい、それが家族。家族と言うものの在り方を改めて考えさせてくれる、そんな一冊だった。2022/03/21
りょう
8
将棋の小説かと思ったけど、将棋ではあるんだけど、家族の物語。働かずに将棋の強い娘に賭け将棋をさせて食ってる親父と、対局にあるしっかりものの母親と真面目な弟。それでも、なんか許し合い、助け合ってる。桂さんの優しい素敵なところがいっぱいはいってる。2022/02/08
BEAN STARK
7
将棋やりたくなります2022/08/06
Mimi Ichinohe
7
ギャンブル好きで仕事をしないお父さんと、看護師でしっかり者のお母さんの結婚は解消され、睡眠障害っぽくて世間のお約束を守れないお姉さんはお父さん側に、まじめで普通な主人公の僕はお母さん側に引き取られてそれぞれ生活していくことになりました。「普通」であることに劣等感と自尊心を抱く主人公が、素晴らしい奥さんと「中庸」を見つけて、光差す未来を目指す物語です。物語とは関係ないですが、母目線でみるとお母さんは本当はお姉ちゃんも引き取りたかっただろうなぁ。でもお父さんにお姉ちゃんが必要だったから。2021/12/07
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