出版社内容情報
牛込水道町の≪鬼≫と健気な筆子の物語
薙刀片手に、この世の理不尽から子供を守る。こんな先生を待っていた。
「目頭が熱くなる」 (文芸評論家)細谷正充氏
天明の浅間山噴火から四年。火砕流が襲った村の生き残りの少年平太は、声を失い、勘定奉行根岸鎮衛に江戸へ連れてこられた。預けられたのは「せせらぎ庵」という名とは裏腹に、「鬼」と恐れられる師匠千世のいる手習い所だった。そこへ噴火の被災者を厄介者と中傷する家族が現れる。すると鬼千世先生は……。
熱血師匠と筆子の心温まる交流を描いた傑作人情小説。
内容説明
天明の浅間山噴火から四年。火砕流が襲った村の生き残りの少年平太は、声を失い、勘定奉行根岸鎮衛に江戸へ連れてこられた。預けられたのは「せせらぎ庵」という名とは裏腹に、「鬼」と恐れられる師匠千世のいる手習い所だった。そこへ噴火の被災者を厄介者と中傷する家族が現れる。すると鬼千世先生は…。熱血師匠と筆子の心温まる交流を描いた傑作人情小説。
著者等紹介
澤見彰[サワミアキ]
1978年生まれ。埼玉県出身。2005年光文社の新人発掘企画「KAPPA‐ONE登竜門」より『時を編む者』でデビュー。以来、ファンタジー小説や時代伝奇を執筆。近年は積極的に時代小説を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
50
シリーズ物第一作という雰囲気。勘定奉行の根岸鎮衛に連れられて千世先生の手習い所に住み込む11歳の平吉の視点で描かれる捕物帳風味の連作短編集だが、あそび(?)が少ないので小学校高学年向きの作品のような真面目さ清潔さが気になる。2021/09/13
蒼い猛牛
10
子供の貧困や災害からの復興などの、今現代にも通じる諸々の問題を巧みに江戸時代に落とし込んだ、とても読み応えのある人情時代小説だった。2022/05/18
へへろ~本舗
4
中編が三編。シリーズになりそう。2021/09/11
シンミチ
0
良かったです。手習い所が舞台の物語を読むと思うのは、この時代は子供時代が短いなぁ、ということ。親元を離れ、自ら生きていく道を12、3才頃には決めていく必要があるなんて。特に平太は家族を失い、声も出ない状況だったからその不安は大きかったことでしょう。そんな中で千世先生に出会えた幸運。子供がどんな教育者に出会うかって、本当に重要だなぁと思います。怖いけど、それ以上の愛情で子供達を見守り、まさに身を挺して子供達を守る千世先生がカッコいい。子供達がどんなふうに育っていくのか、楽しみなシリーズです。2024/02/29
griff
0
なんだかあっさりしすぎてて、子供向けなのかと思った。平太が話せるようになったのはよかったけど、あんな感じで言葉が出るもの?それにいい子すぎて。房吉が心配だよ。万作も。続きがあるみたいだから、機会があったら読んでみる。2022/12/16