内容説明
名だたる女優の中で、吉永小百合はなぜ主役を張り続けられるのか。一二二本目の主演映画では命に向き合う初の医師役を演じる。新たな吉永像を引き出したい映画監督達に応え、吉永は一途に役の人生を生きてきた。本人含め、芸能、映画界多数の証言に、平成から令和にかけ作品を撮った三人の監督のインタビューを新たに加え、映画人・吉永小百合を綴る本格評伝の決定版!
目次
第1章 吉永小百合、一二二本目の作品『いのちの停車場』
第2章 映画に魅せられて デビューから日活映画の頃
第3章 体当たり演技の時代 レコードの大ヒット、独立
第4章 人生の転機 様々な出会い、結婚
第5章 映画女優 殻を破るということ
第6章 たゆまざる挑戦
第7章 プロデューサーとして 東日本大震災への祈り
第8章 映画女優の道、ひとすじ
第9章 吉永小百合、映画『母と暮せば』を語る
第10章 円熟期の傑作
著者等紹介
大下英治[オオシタエイジ]
1944年、広島県生まれ。広島大学文学部卒業後、「週刊文春」記者として活躍。1981年、『小説電通』でデビュー。政財界から経済、芸能、犯罪まで幅広いジャンルで精力的に執筆活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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majimakira
8
吉永小百合という映画人は、若輩の私にとっては断片的に作品に触れてきたぐらいの存在だが、愛する「男はつらいよ」シリーズの第9作・13作に同じ役で出演する姿は何度も鑑賞して拝見し、その美しく優しげな存在感にどこか憧れを抱いていた。本書で日本映画史と共にその映画人生を追いながら、「戦後の日本人を自身が背負って演じることをテーマにしている」その姿勢、そして数々の過酷な撮影現場で見せた芯の力強さを知り、改めて魅了された。とても良いきっかけになったので、122本の出演作(本書出版時点)をもう少し紐解いていきたい。2024/12/28