内容説明
ミス・コンテストの最終選考に残った五人の美女。最終審査を目前に、四人が次々と死傷する。犯行現場では、候補者本人たちと思しき不審な行動が目撃されていた。そんな中、唯一無疵の女への疑いが浮上する。だが、密室の謎や巧妙なアリバイが立ちはだかる。やがて、彼女も脅迫されていたことが発覚し―。完全犯罪の企みと女の狂気が引き起こす予測不能の本格ミステリー。
著者等紹介
笹沢左保[ササザワサホ]
1930年、横浜生まれ。60年、『招かれざる客』が江戸川乱歩賞次席となり、デビュー。61年、『人喰い』で第十四回日本探偵作家クラブ賞を受賞。2002年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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geshi
30
昭和の時代を感じさせる女達の情念と推理小説の両立。序盤はミス・コン優勝を目指す5人の女性の思惑とドロドロしたせめぎあいをねっとりと描き、事件が始まってからは密室や殺害トリックの謎を積み重ねていく。そして女と男の情念渦巻く逃避行へ移り、ラストはミステリとして解決する情念と謎のサンドイッチ方式。構成ゆえに事件パートになると被害者が駒として扱われるようになっちゃうのがいかんとも。推理クイズレベルの謎解きだが細かな気配りがされ、情念を形にしたような犯行の構図が上手く出来ている。2021/10/24
yamasiy
3
昔の作品とは知らずに読みましたが、読みやすくて面白かった。2023/10/28
風鈴
3
一読して、なかなか凝ったミステリーだなぁと感心しました。かなり昔に書かれたはず(風呂のもらい湯とかクーラーが出てこないとか100円旅館等色々)。調べたら、1960年の作品ですね。このまま笹沢左保作品が復刊されていくと嬉しいです。なかなか手に入らないのがいくつかあるんだけど、書名は内緒です。ライバルは増やしたくありません(笑)2020/10/22
Az(アズ)
1
☆☆☆☆
ひゃく
1
12/22〜 著者作品は初読かな。 1960年?の復刊らしい。 片腕の男や定食六十円など、かなり時代を感じる作品でしたが面白く読めた。 ミスコン候補者のうち5人が事件に関わっており、うち4人が死傷。 残り1人に目がいくのは当然だが、誰が加害者で誰が被害者か分からなくなってくるというのは秀逸。 図解を挟みつつ謎解きを行なっている部分もあり、読者に優しいのも良かった。 ただ、3つの殺人事件をスムーズに完遂できたのは奇跡。 そこは小説なんで仕方なし。 ちなみに、棚が落ちるトリックは誰でもわかりそうやけどなぁ。2020/12/31