内容説明
雑居ビルの屋上にあるちゃちなプレハブ、そこは知る人ぞ知る「合田接骨院」。整体師・合田力は偏屈な変わり者だが腕は抜群、身体の声を聞く不思議な能力があった。彼のもとには生きづらさを抱えた人々が引き寄せられる。ある日、力は専業主婦の墨田茜という患者に強い悪意の影を感じ取る。魔手が迫る茜を救出するため力は…。心のコリをほぐす切なく温かい整体ミステリー!
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年、大阪市生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。93年、『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年に『サクリファイス』で第十回大藪春彦賞を受賞。19年に『スーツケースの半分は』(祥伝社文庫)で第十三エキナカ書店大賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
96
無愛想で変人だが腕は確かな整体士・合田力。体の歪みだけでなく心の病も治して行く。買い物依存に陥った茜を狙う恐ろしい企みを雑誌記者・小松崎雄大と共に追い詰めるストーリーは面白くて一気読み。2021/05/02
のぶ
91
「茨姫はたたかう」が整体師・合田力シリーズの第2作と知らずに読んだため、改めて本書を入手し読んだ。そんな訳だが、順番が前後しても関係なく面白かった。合田力は第1作でも偏屈な変わり者だった。この本にはいろいろ問題のある人物が登場する。買い物依存症の墨田茜はその典型だが、問題はあっても人間は憎めない。そんな彼女を救出するために、力を貸すことになる。印象は古内一絵さんの「マカン・マラン」シリーズで悩みを抱えながらシャールさんの所を訪れる客のように(出版は近藤さんが先だが)癒される姿で読後感は満足。2021/01/26
ひさか
78
1999年7月祥伝社ノン・ポシェット刊。整体師ミステリー1作目。2020年9月新装版として祥伝社文庫化。整体師と彼を取り巻く人々の推理、サスペンスストーリー。買い物依存症とカード債務の話だと思いきや、隠された悪意に気づいてからは、驚くべき展開で、読後感は爽快です。新装版からは、解説がなくなっているのが残念。2020/11/05
hirune
61
こんな腕のいい整体師さん現実にいるなら、首にヘルニア持ちの私としてはぜひにお近づきになりたい!しかし力先生 身体を触るだけで犯罪まで嗅ぎつけちゃうのはほぼ超能力なんでは?😅買い物依存症の茜が最初から危なっかしくてハラハラしましたが、最後自分で成長して歩み始めてくれて良かった、気分が明るくなって読了しました☆2020/10/14
papako
52
順番間違えて、こちらが再読最後。これが一番覚えてた!買い物依存症は怖い。私は買い物がきらい。自分に似合うものがわからないから。やっぱりこのシリーズ、ちゃんと決着して欲しかったなぁ。2024/06/17