内容説明
大手石油会社を定年退職した庄司常雄。悠悠自適の老後を夢見ていたが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、共働きの息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれ…。崖っぷちオヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む!長寿時代を生き抜くヒントが詰まった「定年小説」の傑作。
著者等紹介
垣谷美雨[カキヤミウ]
1959年、兵庫県生まれ。明治大学文学部卒。2005年「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し、小説家デビュー。少子高齢化と介護、結婚難、住宅問題などの身近なテーマを取り上げ圧倒的な支持を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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eiro
104
おそらく再読。頑固おやじがよく麻衣の話を聞き入れたものだ。麻衣もよく義父にあれだけストレートに話ができたものだ定年後、男性でも育児はそれなりにできそうだけどなあ。共働きだった人たちには受け入れやすくても、そうでなかった人たちには(特に役職が上だったジイジに限っては)相当困難か。2022/02/19
アッシュ姉
104
妻に避けられ、子供に疎まれ、定年オヤジに居場所なし。夫源病、家庭内別居、熟年離婚の危機に怯える日々。こういう人多いんだろうな。共に頑張りましょう。スーパー主婦の母と暮らすスーパー怠け者の出戻り娘の私。コロナで在宅勤務がメインが続いているので、母が娘源病にならないよう戒め本となった。(と母に伝えたら、被害妄想よ~と言いながら不敵な笑みを浮かべてた。気をつけます。改めます!)2021/12/12
itica
98
かつて「鬼嫁」なる言葉が流行って、私自身もああはなりたくないと思ったものだ。しかし冷静に考えてみると亭主関白は世間的に咎められないのに、何故妻だと揶揄されるのか。私の夫はおそらく、うんちの付いたオムツを取り換えたことはない。妻が悪いのか?夫の両親の育て方が悪い?それとも社会が?何かいろいろと刺さりまくったが、主人公が遅まきながら気づいたことが救いだった。 2023/07/20
りゅう☆
97
定年退職後、孤独と暇が有り余る生活を送る庄司。娘からアンタ呼ばわりされるも庄司の考えにイライライライラ。これじゃ妻は夫源病になるわっ。心理状況、現状が具体的でリアル。妻を、母をなんだと思ってるんだ!!そんな庄司に孫の保育園の送迎の依頼がきた。ほんっとに気が利かない。腹立たしい。言ったところで平行線だから言う気も失せる。どうしたらいいんだろう。あれほど頑なに自分の理念を語っていた庄司にだんだんと現実が入っていく様子に安堵。まだまだ未熟なジイジだけどいいんじゃないかな。夫源病予防のため夫にこの本を読ませたい笑2022/05/15
鍵ちゃん
94
大手石油会社を定年退職した庄司常雄。悠々自適の老後を夢見ていたが、良妻賢母だったつまは「夫源病亅を患い、娘かはら「アンタ亅呼ばわり。気がつけば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、共働きの息子夫婦から孫2人の保育園のお迎えを頼まれ。崖っぷちオヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避、家族再生に挑む。これは定年オヤジと言うより、古い考えを改め妻の苦労を知れ!と言いたい作品ですね。本当に同年代のオッサンは頭が固い。2023/02/06