内容説明
「鬼に喰われた」祝言の夜、花嫁が密室から忽然と姿を消した事件を、人々はそう噂した。部屋には、曰くある鬼の画が掛けられていたのだ。流言を危惧し、探索に乗り出した南町奉行所与力・青柳剣一郎だったが、密室の謎が立ち塞がる。そんな折、花嫁消失に加担したと思しき女の、喉を裂かれた亡骸が見つかり…。風烈廻り与力・青柳剣一郎シリーズ、威風堂々の第五十巻。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
150
シリーズ最新刊。市井に生きる人々はこんな与力がいると安心して暮らせるだろうなぁ。それでも今回は花嫁が消えた謎がなかなか解けない。じりじりするがそこがまたこのシリーズの良いところだと思う。シリーズ全部のカバーと小杉作家のインタビューが付録でそれも嬉しい堂々の50 巻だった。2020/07/19
やま
97
風烈廻り与力・青柳剣一郎50作目 2020.07発行。字の大きさは…中。 青痣与力こと南町奉行所風烈廻り与力・青柳剣一郎の活躍を描いた物語です。 此度は、花嫁の大島屋の娘・お染が、川田屋での祝言の場から公然と消えた事件と、白岡藩前藩主で隠居した倉木肥後守孝康から、30年前に武士を捨て、身分違いの旅芸人の胡蝶と駆落ちしたが、逃げた蔵の中から胡蝶が公然と消えた件を解き明かしてくれるように依頼されます。→2020/09/04
とし
74
風烈廻り与力・青柳剣一郎「悲恋歌」50巻。婚礼の日密室から忽然と消えた花嫁と、倉木紀之助(白岡藩前藩主)が剣一郞に依頼した30年前に旅芸人の胡蝶と駆落ちしたが同じように蔵の中から胡蝶が消えた事件を依頼されが二つの密室事件ちょっとイライラさせられましたが最後の結末が良かったですね。 2020/09/30
真理そら
52
業平高子の芥川のエピソード的な二つの恋の物語。本シリーズ50冊目ということでリーフレットに著者インタビューが…とても規則正しい生活ぶりに身の引き締まる思いのする読者なのである。2020/07/16
Smileえっちゃん
38
祝言の夜、花嫁が密室から姿を消した。謎解きに引き込まれたが、そういう事だったのか。お染と恭助、藩主倉木紀之助と胡蝶、ふたつの悲恋物語。2024/07/27