内容説明
桃山時代。幼少のころは病弱で、道場に立ち入ることさえ禁じられていた岩見重太郎。小早川家の剣術指南役重左衛門の次男だったが、やがて、父をも超える才能が開花する。だが、藩の重役の娘を娶ったことから、運命は暗転した。父、兄、そして妹までもを卑劣な罠によって失い、仇を求め全国を行脚するが―。そこには、とてつもない試練とさらなる敵が待っていた!
著者等紹介
稲田和浩[イナダカズヒロ]
1960年東京都生まれ。大衆芸能脚本家、演芸評論家、ライター。自らは台本屋と称し、主に、落語、講談、浪曲、喜劇などの脚本、演出を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海猫
71
岩見重太郎って講談で出てくる人らしい。そのぐらいの前知識だけで読んだ。父、兄、妹を卑劣な罠で失った岩見重太郎の仇討ちを描く。幼少期は病弱で道場に立ち入りさせてもらえず、自力で剣術を身に付け開眼するなど、エピソードがいろいろと面白い。仇討ちの行脚が始まっても、寄り道的に様々な事件に遭遇し大活躍。狒々や妖怪までも退治をしたり語りのテンポがキビキビして、リズム良く読めるので痛快。最終的には三千人を敵に回した戦いになるが、助っ人がやってきたりしてなかなか熱い。リアル寄りの内容ではないけれど、大衆演劇風に楽しめる。2020/09/24