内容説明
「女なのに男の格好をして…一体どこがいいんやろ?」鉄道員一筋だった多々良源蔵は定年直前、それまで全く関心のなかった宝塚歌劇団の“生徒監”に任命された。突如娘たちの“お父ちゃん”となったことに戸惑いつつも真摯に向き合ううち、その眼差しに変化が―。大道具、プロデューサー、演出、父兄…タカラヅカを支える男たち=ヅカメンが織りなす、七つの奮闘物語。
著者等紹介
宮津大蔵[ミヤズダイゾウ]
1959年石川県生まれ。桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部教授。特別支援学級をはじめ、国公立小学校教諭として二十七年間勤務。その後、桐蔭横浜大学准教授を経て現職。2014年本作品『ヅカメン!お父ちゃんたちの宝塚』(廣済堂出版)で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
70
あの女性の花園・タカラヅカに関わる男性陣の大活躍?または大失敗の数々がユーモアたっぷりに描かれる。お父ちゃんと呼ばれる組ごとの生徒監、制作という名の人事労務担当。鉄道会社の人事異動で駅の勤務から。希望したことも想像したこともない世界へ飛び込んで、でも少女たちのひたむきさに染まっていく。舞台裏を垣間見させてもらって、宝塚知らない私にも楽しい一冊でした。2020/05/02
ばう
65
★★★ 別にヅカファンでもなんでも無い男性がひょんなことから関わりを持ち、全力で彼女達を応援するようになるお話。生徒監、父兄、大道具さん、プロデューサー、演出家などが主役の短編が全7話、最後まで読むと「宝塚」という不思議な世界が分かる様になっています。本筋からは離れますが阪急って会社は面白いですね。鉄道、デパート、ホテルなど、本社や系列の会社から歌劇団への人事異動って、これは阪急にしか出来ない離れ業では?それはさておき、皆んながこの本を読んで「宝塚かぁ。ちょっと観てみようかな?」と思ってくれたら嬉しいな。2020/05/04
けぴ
46
今度、宝塚を観劇に行く予定。本書を読むとフィクションながら、ノンフィクションのような舞台裏を感じることか出来ます。宝塚音楽学校の入学の熾烈さと困難さ、各組をまとめるお父ちゃん役としての管理監の存在などリアルに感じます。第三話が特にお気に入り。2023/09/21
Kazuko Ohta
33
掴みはイマイチ。だって、その界隈に暮らす関西人は「~やさかい」という関西弁は使わないから。しかし第2話以降はとてもいい感じ。宝塚音楽学校に入りたい娘だったりその家族だったり、関西人ではない人が多く登場するから、第1話で抱いたような関西弁への違和感がなく、話に没入できる。「ちょっぴり焦り気味の重松清」みたいにも思いましたが(笑)、それもまた良し。各話の登場人物が絡み合っていて、入学からスターになるまでを見守っている気持ちになれます。一度は観てほしい宝塚。世界の盗塁王・福本豊氏もいまやすっかりヅカファンです。2020/07/01
marumo
27
楽しかった~!あっという間に読んでしまった。図らずも宝塚歌劇に関わってしまう男たち。もれなく「宝塚なんて学芸会や」と思っていたのに、何ですか、その溢れる愛は!ジェンヌさんたちの「お父ちゃん」生徒監、受験生の父、ジェンヌの兄、プロデューサー、大道具さんそして演出家。遠景にいるジェンヌさんの成長ぶりも全話通すと浮かび上がる入れ子式。サンバさん、ミユキ&マリコの舞台人生にもワクワク。謎だらけの宝塚のガイド本としても優秀で「へぇ~」の連発。あ~、早くまた舞台が観らる日が来ますように!2020/04/25
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