内容説明
人気推理作家・雨宮縁。執筆時、作品ごとに主人公に成りきる姿は多重人格さながらで、憑依作家と呼ばれていた。寿退社をした恩人の夫の自殺に不審を覚えた雨宮は、担当編集者らを使い、真相を調べ始める。すると、幸せの絶頂から不幸のどん底へ突き落とされた被害者が続々と浮上、雨宮は犯人を炙り出すため、周到な罠を仕掛け…。狂気を裁く新クライム・ミステリー誕生!
著者等紹介
内藤了[ナイトウリョウ]
長野県出身。長野県立長野西高等学校卒。2014年、『ON』で第二一回日本ホラー小説大賞読者賞受賞。同作を改題した『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』でデビュー。16年、同シリーズがテレビドラマ化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
151
書く作品の主人公になりきって執筆している作家、雨宮縁。時には老人、時には美女、時には銀髪の青年。本当の正体はわからない。せっかく面白い設定なのに、雨宮縁のキャラが謎すぎて犯人も事件も周りの登場人物もかすんでしまっている。でもやっぱり縁の正体が気になる。続編を読むしかないと思わせるエピローグはさすがですね。2021/05/18
utinopoti27
133
生み出した作品の主人公が憑依するという作家・雨宮縁。時には皺だらけの老人、時には妙齢の貴婦人、時には切れ味鋭い青年と、見た目まで変わってしまう。年齢性別とも一切不明のキャラクターだ。そんな変わり種をサブタイトルにした本シリーズが扱うのは、醜く歪んだ心が引き起こす悲惨な殺人事件。今回は、幸せの絶頂にいる者たちの笑顔を、絶望の淵に叩き落すことに無上の喜びを感じる犯人が登場するのだが、事件解決と雨宮の特異体質との関りがスッキリしない。主人公も別にいるようだし、全ては今後の展開次第といったところだろうか。2022/08/19
★Masako★
95
★★★✰︎ ミステリー作家・雨宮縁(えにし)。性別年齢不詳。書いている作品毎に姿形、話し方まで変えて主人公になりきる為"憑依作家”と呼ばれている。ある事がきっかけで幸せそうな家族から笑顔を奪い悲しみのどん底に突き落とす"スマイル・ハンター”の存在が浮上。雨宮は担当編集者の真壁、フリーのカメラマン・蒲田らと犯人をあぶり出しにかかる。雨宮が登場するのは中盤から。それまでは伏線なのだが、う~ん、焦らされた。でもそれからは一気読み!続編ありな感じの謎めいたラスト。雨宮の事が気になるので、次作を楽しみに待ちたい♪2020/05/09
Bugsy Malone
85
内藤さんのシリーズ物では、チームワークや絆の強さに魅力を感じる作品が多いのだけれど、そういう意味では少し毛色の違う小説という感じが。それでも中盤に至って漸く登場する憑依作家の尋常ではない人物造形、事故や自殺を事件として暴き出してゆく過程は面白くて堪らない。そして次作を読まずにはいられなくするエピローグ、相変わらず上手いなぁと思わされてしまいました。2020/07/23
あっちゃん
77
ん?この作家さんの男主人公は珍しく感じるなぁ(笑)それにしても憑依の完璧さに驚き!シリーズ1作目だからこそ出来るラスト近くの疑惑がなかなか良い、そしてプロローグが本編に繋がらず最後にようやく来た( ̄ー ̄)2024/11/30