内容説明
廻船問屋尾張屋は、商売敵である遠州屋の差し金で、専売許可札を盗まれ燃やされてしまった。札がなければ船荷が番所を通関できず、店は潰れる。尾張屋に泣きつかれた稀代の策士慎三は、荒事に不向きな筆屋の文七を尾張屋の船に乗せ、見切り発進させる。手本もない札の花押、署名、割り印をどう復元するというのか。江戸から伊勢へ、遠州屋と瀬戸際の攻防が始まる。
著者等紹介
尾崎章[オザキショウ]
立教大学文学部卒。現役ビジネスマンとして第一線で活躍する傍ら、別名義で経済小説を発表していたが、2019年に野心作『替え玉屋慎三』で鮮烈な時代小説デビューを飾る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さら
22
髪結い屋の慎三には裏稼業がありました。 《替え玉屋》です。 本作はシリーズ二作目で、一作目を未読な為、慎三が《替え玉屋》をやり始めた経緯や人間関係の詳しいことは分からない状態で読み始めましたが、十分楽しめました。2020/02/25
DONA
17
第二弾の今作から読みましたが、面白かったです。本当は始めから読んで人となりを知ったうえでの方が更に面白いのでしょうが。ハラハラさせる展開が良かったので、ぜひ1作目も読んでみようと思います。そして、続きも楽しみです。2020/02/06
デジ姫
14
最後まで読者を飽きさせない。一気に読み終えたいから前作に続き今回も寝不足気味。次回作が待ち遠しい。2020/11/17
アーミー
4
「替え玉屋 慎三」シリーズ第2弾。江戸の深川で評判の髪結い床の主人慎三は、裏稼業で替え玉屋をしている。替え玉屋とは、他人そっくりに化粧した替え玉を作って人助けをする稼業である。商売敵の卑劣な罠にはまり廃業の危機に陥った廻船問屋尾張屋を、知恵と勇気で救う裏稼業仲間の働きにスカッとした。個性的な仲間が裏稼業として悪人たちを懲らしめる、というお話は、人気テレビ番組だった『必殺シリーズ』を思い出す。 この作品の終章では慎三の過去に纏わる話も書かれていて、続編も楽しみだ。映像化も期待できる味わい深い作品だった。 2020/02/05
Suzu
1
替え玉屋シリーズ第2弾。廻船問屋尾張屋の伊勢炭の専売許可札を巡り替え玉屋慎三は荒唐無稽な策で奪還に挑む。尾張屋の放蕩息子の成長物語もある。鼠の彦治との勝負は続く。最後に慎三の正体が少し明かされる。そして次巻を待つ。2020/07/10