内容説明
移動調理屋を営む佳代。彼女には隠された使命があった。調理屋の支店をやってくれる人を見つけてほしい―それは調理屋を生涯の仕事とするきっかけをくれた“松江のばあちゃん”の生前の願いだった。訳アリのシングルマザー、脱サラして茶畑を育てる男、売れないミュージシャン。佳代は出会った人々に料理を教え、教えられ絆を深める。そして最後に見つけたものは…。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年生まれ。コピーライターを経て『かつどん協議会』で作家に。奇想天外な設定の中に風刺とユーモアが効いた作品を多く発表、『床下仙人』(祥伝社文庫)が2007年啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれブレイク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
120
★★☆☆☆20056【踊れぬ天使 佳代のキッチン3 (原宏一さん)】当方、調理車というものを詳細に見たことがありません。まず、調理車なんだから調理スペースはありますよね。佳代の場合、車の中で寝泊まりしながら各地を転々とするわけで、飯もそこで食べ、就寝時に横になるスペースや着替え用衣服の保管も必要でしょう。軽自動車の限られた車内空間をどうやって使ってるんでしょうね。さらに、コンロはプロパンかな?ガス漏れや爆発は大丈夫?夜の照明や夏冬の冷暖房は車の装備を使用かな?となるとエンジン回しっ放し?凄く疑問〜。2020/05/13
dr2006
64
調理を請負う商売をしながら軽ワゴンで全国を旅する佳代のキッチン第三弾。一期一会の出会いとアレンジ料理の旅だ。今作は、金沢市、藤枝市、佐渡市、群馬県大泉町、山形市、稚内市を巡る。佳代は失踪した両親を探すために移動調理屋を立ち上げたが、その時の恩人の意思を受け継ぎ、全国で佳代と同じ調理屋をやってくれる人を探す。劇的に描かれてるが、人生の中で何かを始めるきっかけになる出来事は必ず存在する。中略「許す許さないという気持ちは”こうでなければならない”という思い込みから生まれる」この言葉に深く感銘を受けた。良かった。2022/07/03
再び読書
50
佳代の道程に少しづつ結果として後継者が出てくる。ブラジルのラウラの悲しい恋もより良い着地が出来て嬉しく感じる。茶畑に挑む男の迷いの人間らしい。摩耶は自ら科せていた過去の呪縛から自分を解き放つことが出来て良かった。モンクのスタイルの個性的な演奏をする彼も迷いが消えて良かった。「許す許さないという気持ちは”こうでなければならない”という思い込みから生まれる。」というテーマに則り佳代は迷いあがき次の道を見つけていく。弟も結婚して後は?次作を早く読みたいヴルストを読んだ本として紹介された事がにやっと嬉しい2022/08/28
りょうこ
39
今回も色々な所で、色々な出会いがあったようです。でも...なんだろ?前回までと違って...こんなに惚れっぽかったっけ?!(笑) 次回作も楽しみにしてます!2020/02/26
Walhalla
32
プップー!佳代さんのキッチンカーは今日も元気に営業中です。シリーズ3作目は、突然の異国からのスタートでビックリしましたが、本編は国内がメインでちょっと安心しました。訪れる土地で新鮮な食材を使ったお料理ももちろんですが、人とのふれあいも楽しめるのが良いですよね。原宏一さんの作品と言えば、キテレツなタイプのものも面白いのですが、このシリーズに関しては感動的なお話も多くて、とても気に入っています。著者の他作品とのリンクもあって得した気分です。次作も楽しみです。2024/05/21
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