内容説明
人類は古代から恋愛に懊悩し、その苦しみや歓びを綴り不朽の名作を生みだしてきた。そこには我々が学ぶべき叡智と教訓がつまっている―紀元前から今でも使えるモテテクを伝授する『恋愛指南』、高慢ちきな女子に効く『蜻蛉日記』、不倫に悩む人に『好色五人女』、リア充が妬ましい時には『ヰタ・セクスアリス』等々。古今東西の傑作がぐっと身近に、きっと読みたくなる読書案内。
目次
日本文学(『竹取物語』;『蜻蛉日記』右大将道綱母;『好色五人女』井原西鶴;『十三夜』樋口一葉;『蒲団』田山花袋 ほか)
西洋文学(『はつ恋』イワン・ツルゲーネフ;『アナスタシア』ウラジーミル・メグレ;『ナジャ』アンドレ・ブルトン;『怖るべき子供たち』ジャン・コクトー;『うたかたの日々』ボリス・ヴィアン ほか)
著者等紹介
辛酸なめ子[シンサンナメコ]
1974年、東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。漫画家、コラムニスト、小説家として幅広いジャンルで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てふてふこ
48
再読。西洋文学(14作品)と日本文学(26作品)を書評。西洋文学:昔の海外の芸術家は薬を使う人が多いと何かで読んだことあり、この中の複数作品も…。異彩を放つものばかりでした。日本文学:以前読んだ時一番印象に残ったのが鳩山一郎。今回は竹取物語は何故書かれたのか、教訓は何かが気になりました。なめ子さんが一番しっくりきたという蜻蛉日記、私も好きです。文中にある通り「人間が恋愛に溺れる姿は滑稽」ですね。現状仕事のストレス凄いくて、そういう時はなめ子さんの本で笑い癒やされます。2024/12/17
いちろく
36
著者の視点で描かれる、古典から最近の国内外の恋愛小説レビュー本。明らかに言葉を選んでいるな、オブラートに包んでいるな、と思われる表現でも、ナンダカンダぶった切っている所が面白い。例えば、『蒲団』の主人公は好きな女子の縦笛をコッソリ吹いて間接キスする小学生男子と同レベルとか、『夏の終り』での不倫相手宅を訪れた女性が見かけた壁に掛かった相手妻のワンピースの存在を目立つ所に掛ける泥棒猫対策と表現したりとか、古典名作、近代文学でも変わらず終始こんな感じで笑えました。電車をはじめ出先で読んでは駄目な本です、ハイ。2020/08/06
キビ
13
読んだことない話が多いのに、もう、読んだ気になってお腹いっぱいって感じです。面白い。あの名作と言われる物語が実はこんな感じなんだー。とか、確かに屈折してるよねーとか…。堀辰雄「風立ちぬ」文学史の中で崇高なイメージしかなかったのに…。石原慎太郎「太陽の季節」ってそんななの‼︎マジか⁈など色々思いました。「ジョゼと虎と魚たち」は益々読みたくなりました。最後に太宰治についても書かれています。この流れでラストに太宰!さすがです。2019/12/28
ソルト
13
私が、この本を電車等の公共交通機関で読めない理由が2つある。イラストがキワキワなのと面白すぎて笑っちゃう。辛酸なめ子の俯瞰感がすごい。あと、あえてタイトルに「辛酸なめ子の」としてあるのは、辛酸ワールド自信のあらわれか?逆にクレームお断り的なことか?読んだ本に登録しようとしたら15しか登録していなかった。もったいない!自分の感想をアップしてから他の方の感想を読む。ドキドキする。2019/12/27
ジュンコ
8
読んだことある作品もない作品も。辛酸なめ子の解釈だと全然別モノに感じるなぁ笑 文学っておもしろいなって改めて思う。2020/01/12