内容説明
「粗大ゴミのように私を放りだそうとしたのはあなたじゃないか」経営不振を乗り切るための組織改革で昇進したはずが、実は“社内失業者”と化していた三矢不動産部次長の大下。彼の許に突然届いたのは「解雇通知」だった。自分を引き抜いた常務の裏切りを痛感した大下は、「日本管理職組合」に復職を訴えるが…(表題作より)。非情で身勝手な企業に挑む男たちを描く傑作短編集。
著者等紹介
江波戸哲夫[エバトテツオ]
1946年、東京生まれ。東京大学経済学部卒業。都市銀行、出版社を経て84年『小説大蔵省』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫の煙
15
サラリーマン小説短編集。いつも順調とはいえない、ちょっと苦いサラリーマン人生。共感と安堵の読後感。「人生の歯車」と「妻のカラオケ」がよかった。2020/05/31
一笑
5
表題の「退職勧告」を含む、退職や出向・左遷にかかわる七つの物語(短編集)。心に突き刺さったのが「私、売れますか」。暗い話の多い中でラストに希望を感じるのが「人生の歯車」「妻のカラオケ」。江波戸哲夫元銀行員。池井戸潤さんも、江上剛さんも、元銀行員。元銀行員の作家って本当に多いんですね。2021/05/15
shonborism
4
表題で分かる通り、ピンチを迎えているサラリーマンの話。20年以上前の作品なので時代がかった部分は多いが、悲哀は今も昔も変わらず。2019/08/19
daidai
2
集団左遷の作者と気づかずたまたま借りた! 会社にまつわる物語。 社会人ならうなずける物語ばかりじゃない? きれいにすっきり終わるものばかりじゃないけど、読み終わった後の心地よさは素晴らしい。2019/12/19
りんだりん
2
会社ではみんなが自分のやりたいことや行きたい部署にいけるわけではない。そして、それぞれの人に役割がある。周りから感謝される役割もあれば、そうでない役割もある。でも、どちらも会社のため、ひいては生きていく自分と家族のために必要なこと。そういう大きな視点でみるとたわいもないことも、自分のことになるとそうもいってられない。そんなことを思いながら読める本。★32019/10/25
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