内容説明
読売書きお吉は、新米絵師のおすみに頭を悩ませていた。時間に遅れ、言い訳ばかりで絵はいまいち、失態の責をなすりつける―まさに当世風の問題児。お吉は、人気の娘義太夫若駒への聞き取りの際、異国の物と思しき美しい器と出会う。その直後、若駒宅へ泥棒が!さらに火付けも起こり、若駒は姿を消す。その身を案じたお吉は、おすみと共に行方を捜すが…。
著者等紹介
五十嵐佳子[イガラシケイコ]
山形県生まれ。「婦人公論」「クロワッサン」などの女性誌を中心にライターとして活動。その後小説にも活躍の場を広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
49
甘い物には目がない吉。自分を正当化するためには平気で嘘をつく新米絵師おすみに振り回される日々。イライラする日も、美味しいお菓子を頬張ると全て帳消し。幸せになる吉。いいなぁ。お菓子の作り手にしてみたら、嬉しくてしょうがないでしょう。お絹さんや寿太郎さんのような、一見冷たい女性が熱い正義感を持っていたり、太った力自慢でガサツに見えるおたつさんが可愛いお人好しだったりと、人は見かけによらぬものです。こちらのシリーズは本当に楽しい。今回もホッコリしました。2019/12/17
ジュール リブレ
40
読売書きお吉の甘味事件帖、第三作。新キャラの ボケ役おすみ登場で、また賑やかになりました。禁制の品の抜け荷の話に巻き込まれて、またもや大事件に発展か。浅草の銘店巡りでの美味しそうなお店の数々。次巻が楽しみです。2019/08/17
kagetrasama-aoi(葵・橘)
36
「かすていらのきれはし」読売屋お吉甘味とぉんと帖 第三巻。お吉の有名人に好きな甘味を聞き取る企画、順調です。今巻は力石(三十六貫=百三十五㎏の石を持上げる力競べ)で三等になったおたつさんのエピが良かったです。三等と言うのも忖度なんですよね。それを無理なく取り上げるお吉に成長を感じました。一方今巻から登場した見習い絵師のおすみ、この女の子が喉に引っ掛かった鯛の骨のような感じ。手術をしても取り除きたい程ウザい!生立ちに同情する点はあるにしても、同じ職場にこんな女の子がいたら最悪ですよね。どうなるのかしら?2023/11/20
真理そら
35
かすていらのきれはしっておいしいよね、うん。今回はすみちゃんという絵師見習いが登場したことや絹さんの事情で吉は真二郎さんと組んで取材できない。このすみちゃんの無神経さがおもしろい。吉はかわいそうだけれど、すみちゃんみたいなのが普通の女の子だよね。長生殿ってそんなに歴史のあるおかしだったのね。これから吉は浅草細見作りをしていくのかな。2019/05/19
むつこ
34
シリーズ3作目。記者生活も慣れてきたと思ったら新入り絵師・おすみが相棒になる。まー、このおすみちゃんの減らず口がうっとうしい。こういう後輩、いるいる!次回では真二郎との関係がもう少し進展するといいな。2019/07/26