出版社内容情報
小路幸也[ショウジユキヤ]
著・文・その他
内容説明
「この子を熊本まで連れて行って」元高校教師の“片原修一”のもとに、突然現れたド派手なキャバ嬢・由希と小学生のあすか。熊本にはあすかの母で修一のかつての教え子・凛子が入院しているという。北海道から車であすかを送り届けることにした修一。だが、彼には重大な秘密があった。さらに彼らを追う人物も現れ…。熊本まで二千キロ。前途多難な旅の行方は?
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年北海道生まれ。広告制作会社を経て執筆活動へ。2002年『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第二十九回メフィスト賞を受賞し、翌年デビュー。『東京バンドワゴン』シリーズでブレイク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
113
★★★★☆21001【アシタノユキカタ(小路幸也さん)k】もう、書き出しから面白いんですよ。ある事情があって主人公の男性とキャバ嬢29歳,小4の女の子の3人で北海道から九州熊本まで行く話なんですけどね〜本ジャケの装画みたいなルンルンって〜のとはちょっと違ってまして、つまり単純に旅を楽しむ様な直球話ではなく、友情をモチーフとした凝った展開のハッピーエンドストーリー。いい意味で新年第1作目に持ってこい!でした。ま、ラストシーンの先がどうなったのか、とても気になる終り方なんですけどね。それもまたよし!2021/01/01
Ikutan
70
訳ありな女が小学生の女の子と突然やって来て、女の子を母親のところに連れて行けという。母親は熊本で入院中。女の子の母親はかつての教え子。女の説得で、図らずも、札幌から熊本まで彼女たちとドライブすることになった主人公。どうなることやら..とのことで、主人公の一人語りで進む物語からそれぞれの事情が次第に明らかになっていく。一人称なので、サクサクと読みやすい。ただ、都合のいい展開で突っ込みどころありかな。小路さんらしく人情味溢れる主人公たちに読後感は良好でした。2019/08/20
ぶんこ
52
元高校教師の修一と、生徒だった凛子。凛子の娘のあすか。その3人を結びつけ助けようとする修一の親友の詐欺師の高之と、凛子の親友のキャバ嬢由希がタッグを組む。節約の為に北海道から熊本までを軽自動車で移動するのが面白い。悪巧みをする高之と由希だが、その根はお人好しの2人がカッコいい。親友の為にここまでやれるって凄い。気持ちいいだろうなぁ。2019/03/27
エンリケ
41
教師とキャバ嬢と女子小学生。何とも凸凹の面々が同じ車で旅をするロードノベル。小路さんらしくメインキャストは善人揃い。ある女性を救う為、はるばる北海道から熊本に向かう。何れも出生や生い立ちに秘密が有りそうな様子。そこに興味がそそられ、さくさくと読む事ができた。やがて明らかになる三人の人生。それは結構ヘビーだが、あっけらかんとした明るさで湿っぽさは皆無。この三人の旅にゆっくり付き合いたかった。でも紙数の都合か中盤はスピードアップして熊本へ到着。そして結末はハッピーエンド。少々物足りなさを感じつつ読了。2019/02/06
らび
38
冒頭部分に「ん?なんかおかしい物言いだ」と思ってましたがそういうことなのね・・ミステリーじゃないからすぐにネタばらし。いつも通り悪人なし、いやほんとは悪人の側だろうけどいやにあっさりしているし根っからの悪人ではないし物語りの内容にあんまり関係も無い。いきなりな展開だけどすんなり受け入れ訳あり男女と10歳の女の子の北から南へのドライブがてら旅。哀しいこと辛いことを乗り越えたそれぞれの人生が優しさに包まれた年月でもありました。みんな良いヤツです。2019/03/12