出版社内容情報
簑輪諒[]
著・文・その他
内容説明
豊臣秀吉の親衛隊黄母衣衆の蜂須賀家政は、齢二十八にして阿波国十七万五千石を任された。なぜ父ではなく己に。父小六は秀吉の腹心であり、木曾川の川並衆頭領でもある名将だった。武家にはない川並衆の自由な発想で国を育てる家政。ところが関ヶ原の合戦で御家存続の窮地に―阿波の狸と称された若き大名が、東西両軍を化かす天下一の奇策を放つ痛快歴史小説!
著者等紹介
簑輪諒[ミノワリョウ]
1987年生まれ、栃木県出身。2014年、丹羽家の敗者復活劇を描いた『うつろ屋軍師』で第一九回歴史群像大賞に入賞し作家デビュー。17年、幻の軍師白井浄三と上杉謙信との攻防を描いた『最低の軍師』(いずれも祥伝社文庫)が絶賛され、啓文堂書店時代小説文庫大賞を獲得、一躍、歴史小説の旗手となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
145
豊臣秀吉の側近だった蜂須賀小六の嫡男、蜂須賀家政の物語。家政は徳島藩祖。阿波おどりの発祥はこの男からという説もあるという(諸説あり)。そんな“阿波の狸”と称された家政、発想の自由さで、戦での戦略はもちろん秀でたものがあるが、その才覚は、国作りにおける産業や人心掌握術に最も長けていたのだろうと思わせる。そして、彼の最大の武器は“臆病”。臆病だし、甘い物好き、妻の比奈との仲の良さに親近感が持てる。事実はどうなのかはわからないけど、こうであってほしい。脇役的な他の武将の物語を箕輪諒作品で更に読んでみたい。 2023/05/10
Book Lover Mr.Garakuta
14
蜂須賀家政が主人公の本。面白かったです。2021/02/10
みこ
13
秀吉に仕えた蜂須賀といえば小六だが、本書の主人公はその息子の家政。とはいえ、歴史小説に名を借りた一人の若者の成長譚のようでもある。手塩にかけて治世を施した阿波を守るか仕えている豊臣家を守るか迫られる場面は家庭が大事か仕事が大事か悩むサラリーマンのようだった。他にも中国大返し、徳島城落成、関ヶ原前夜の駆け引きそして、小六の死のシーンなど新進作家の筆力とは思えないような読んでいて胸が震えるシーンが随所にあった。2018/11/25
Y...
6
この作者も初めてです。読みやすくてサクサクと読めました。蜂須賀小六の子である家政が主人公。父親のことは知っていたが家政については名前ぐらいしか知らなかった。秀吉が亡くなった後の処世術も父親に負けない武将だと思いました。他にも蜂須賀家政について書かれた本があるなら読んでみたいですね。2018/11/23
熱東風(あちこち)
5
面白かった。/またしてもこの作者らしく、マイナーな人物に脚光を当てた作品。その名は蜂須賀家政。マイナーとはいっても父親の小六(正勝)は有名だし、関ヶ原前夜の政治闘争の話にはほぼ必ずと言っていいほど家政の名前は出てくるので、存在ぐらいは知っていた。が、この人物に注目して見たことがなく、具体的にどういう人物なのかとなると全く無知だったので興味深く読めた。/余談ながら足利氏びいきの私は、平島(阿波)公方のことも描いてほしかったけど、本筋(作者の描きたいこと)から外れるんだろうね…2019/01/21
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