出版社内容情報
坂井希久子[サカイキクコ]
著・文・その他
内容説明
“猫の世話をするだけの簡単なお仕事”こんな求人募集を見つけて僕は一軒の古ぼけた喫茶店を訪ねた。『喫茶 虹猫』で待っていたのは、“猫バカ”で引きこもりの女主人と里親募集中の迷い猫たち。僕に任された仕事は認知症のお婆さんが棲む猫屋敷の掃除だったのに、いつのまにかワケあり客が持ち込む、“猫問題”に翻弄されていき…。寂しがり屋な人間と猫の不器用な愛の物語。
著者等紹介
坂井希久子[サカイキクコ]
1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒。2008年、「虫のいどころ」で第八十八回オール讀物新人賞受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』で第六回歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
130
★★★★☆19107 『猫バカは嫌いだ』という本の帯を見て、顔に縦線!頭にパトライト点灯!当方の背後には『?マーク』が三つくらい出てる!これは読まなきゃ!と、チョイス。医大受験に失敗し、(特に動物好きでもないのに)獣医大に入った青年と、彼のバイト先である喫茶店の(猫多し!)女性経営者(美人)がメインとなる作品です。坂井さん、見てますか〜!子猫の萩やん可愛いですね!それと、相田アニマルクリニック院長の相田先生!当方が嬉しくなる設定、あざーす!でも背脂こってりラーメンみたいな、くどいオジサンというのが...2019/12/01
ばう
72
★★★医学部受験に失敗し、医学部は医学部でも獣医学部に不本意ながら入った翔が見つけたバイトは「猫の世話をするだけの簡単なお仕事」。ところがどっこいこれがとんでもなく大変なお仕事で…。バイト先の猫の里親募集をしている『喫茶虹猫』の女主人を始め猫屋敷のお婆さん、動物病院院長、地域猫活動家、大学の同級生に美少年などなど登場人物達みんなが個性豊かで最後まで退屈せず一気読みでした。やっぱり坂井さんの小説は面白い♪2021/04/22
涼
71
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/07/post-f712c8.html はじめのうちはやや読みづらかったのですが、翔がしだいに他の人と関わっていく課程が興味深く、楽しく読めました。2024/07/18
はつばあば
67
不器用な人達が猫を通して、猫と共に居場所を見つけるというちょっとした愛の物語。なんてキザな事を書いたが「警視庁幽霊係」登場の柏木さんがカケルと被さり、高島警部がサヨリと被さるという本を選んだ私のヒキか(^^;。人間と共に生きてきた猫。今でこそ猫ブームだが、昔は犬や猫は当たり前に人と一緒に暮らしてた。猫は犬と違って自由気ままに暮らせる唯一の動物だったのに、いつの間にか家から出されなくなった。それも人間の我儘のせい。あれもダメ、これもダメ・・猫のように自分より弱い者に手を出さない習性を、子供に教えるべきだ2018/05/12
楽駿
54
ねこ祭り2019、2冊目。人間のお医者さんになるはずが、獣医学部に通うことになった玉置。気楽な猫の世話のバイトなはずが、猫をこよなく愛する人たちに囲まれて、知らないうちに、人見知りの世界から、猫も人も集まる場所へ、広がっていく。それぞれの事情もいろいろある中、人も猫もお互いに、癒しあっている。地域猫を強制避妊手術を受けさせることは、是か非か?堕胎させなければいいのか?人間の事情に、振り回されるのは、実際猫の方。けれど、全ての猫を出産させてあげるのは、やはり無理だし。笑わせてくれながら、しっかり問いかける。2019/02/19