内容説明
お園が、江戸に帰ってきた。だがその矢先、お園を待っていたのは、店の危機だった。近所にできた京料理屋“山源”に、留守にしている間に客を根こそぎとられてしまったのだ。しかも“山源”の板長・勘市は、「お客の心を癒すための料理」というお園の考えを強く否定した。だが、信念を曲げないお園は、お客と自らをも救う一品を作り出す。優しさ溢れる人情料理帖。
著者等紹介
有馬美季子[アリマミキコ]
1969年生まれ。慶應義塾大学仏文科卒業。別名義で活動していたが、『縄のれん福寿』で心機一転、時代小説を志す。派遣OLや試験監督、ビラ配布、図書館や工場の仕事などを経験(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
31
縄のれん福寿シリーズ4作目。3作目で清次を追って旅に出て今回江戸へ帰ってきたのが20日ぶり。全て徒歩って怖い・・。その間、八兵衛夫婦が店を切り盛りしていたなんて江戸っ子の人情なのかなぁ。近所に京料理の店が出来て福寿は経営難に。福寿と女将を慕う人たちに助けられて困難に立ち向かう。相変わらずお節介な感じが「あ~、これこれ」って感じで思い出しながら読めた。まだまだシリーズ続きそう。2017/10/31
メルル
25
もうシリーズ四作目。旅も終わりようやく落ち着いて店を開けられると思ったのも束の間、問題発生。旅の間に店ではいろいろあったよう。まあ、素人に店を任せるというのはリスキーなのである。自分の店も大変なのに世話焼きのお園はやっぱりよろず相談を引き受ける。地域を問わずお園の舌は無敵。どんなにお堅い人でも唸らせる料理に感動。やっぱり店にいるお園の方が数段良い。料理と同じように登場人物にも味わいがあって楽しい。2017/12/27
たんぽぽ
20
縄のれん福寿シリーズ第4弾。 旅から戻って福寿再開。 客商売はインターバルがあると難しいね!と思うけど、心のこもった思いやり料理で客を増やしていく。 時代考証なんてあまり気にせず、気軽に楽しめる娯楽時代劇を見てる感じ。2019/05/10
アカツキ
11
縄のれん福寿4作目。お園と吉之進は暴漢に殺されたお園の夫を弔うと20日ぶりに江戸に戻る。すると店を預けていた八兵衛夫妻から近くにできた京料理店にごっそり客を取られてしまったと…。店の簡単な掃除や空き巣防止を頼んだと思っていたら、営業させていたのにはビックリした。好きな話は、合コン集客大作戦「鯔背な蕎麦、艶やかな饂飩」、偏屈な老人の食べたいもの「おろしやの味」。2024/07/10
まはな
11
(購入)えーと・・・なんかちょっとおせっかいすぎないかい?と思いながら読んでいました。そんなに首をツッコんでキレる人がいないところが時代なのか?それとも無理やりなのか・・・京料理と江戸料理なんて全く違うんだから京料理が仇のように扱うのもちょっと違和感あるし。女将もねじ込むように善意というおせっかいをすることにちょっと不自然さを感じました。次も購入しているのですが、なんか・・・なんか違うような気がしてきた。そしてこんなになんでも料理が再現できるなら別に京料理に負けないんじゃないの?2018/03/20