出版社内容情報
長谷川 卓[ハセガワタク]
内容説明
万能薬で財を成した薬種問屋“讃岐屋”の皆殺しが永尋になり十一年が経った。ある日、戻り舟の二ツ森伝次郎は窩主買から押収した盗品の中に、偶然、讃岐屋の根付を発見、悔恨の情を蘇らせる。引退直前まで追ったが捕縛できなかったのだ。ついに解決の糸口を掴んだかに思えたその矢先、根付を持ち込んだ盗人が惨殺された!?伝次郎は、あの日の雪辱を果たせるのか。
著者等紹介
長谷川卓[ハセガワタク]
1949年、小田原市生まれ。早稲田大学大学院演劇専攻修士課程修了。80年、群像新人文学賞を受賞。81年「百舌が啼いてから」が芥川賞候補となる。2000年には『血路―南稜七ツ家秘録』で角川春樹小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アーちゃん
44
2012年学研M文庫、加筆修正後2017年祥伝社文庫。シリーズ第四弾。六話の連作短編集。第一話「更待月」と第五話「辻斬り始末」のみ捕物絡み。他は永尋の各登場人物の日常に焦点をあてた小話でタイトルが食べ物(「晦日鍋」「桜湯」「浅蜊の時雨煮」)と美味しそう。また第四話の「とても言えない」も孫の正次郎が帰りのご馳走目当てに母と出かける話(結果お預けになったけれど)。軽く読める一冊。2025/07/08
baba
30
永尋の面々がそれぞれはっきりとした存在感を発揮して頼もしい。「とてもいえない」は特に面白く、頑固な伝次郎も嫁の前では言いたいことを飲み込む様が憎めない人柄をあらわしていて楽しく読了。2017/05/15
jima
15
シリーズ4作目。6話からなる。江戸時代の何気ない日常がまるでみてきたかのように生き生きと描かれている。この作者はすごいなぁ。2021/09/15
Kira
11
図書館本。再読。この巻は長編ではなく、短編集。伝次郎の孫で、同心見習いだった正次郎の視点で語られる「とても言えない」が心に残る。正次郎の大食らいは、シリーズを通して笑いを誘う。作者ご逝去により、シリーズの続きが書かれることは、もはやない。本当に残念だと、改めて思う。2022/05/01
オレンジ。
4
これで終わりかな。2017/07/09