出版社内容情報
テリ ・ テリー[テリテリー]
竹内 美紀[タケウチミキ]
内容説明
「お前の約束は聞き飽きた」夢の中、男はレンガで私の指を潰していった―2054年、英国。スレーテッド(記憶消去矯正措置)を施された16歳の少女カイラは、デイビス夫妻の元で新たな生活を始める。しかし、繰り返し見る悪夢が、消されたはずの記憶を呼び覚ましてゆく。“私”は誰なのか?なぜスレーテッドされたのか…。治安当局と周囲の監視をかい潜り、同じスレーテッドの少年ベンと真相を探るうち、カイラは暗躍する反政府組織の存在を知る…。過剰に管理された近未来の英国を舞台に、少女の戦いと成長を描く、瞠目のディストピア小説!
著者等紹介
テリー,テリ[テリー,テリ] [Terry,Teri]
フランス、カナダ、オーストラリアを経て、現在イギリス在住。3つの学位を持ち、研究所、法律事務所などで、様々な仕事を経験する。2012年、デビュー作『SLATED』が一躍話題となり、イギリス以外でもアメリカ、カナダ、オーストラリアなど11カ国で刊行される人気シリーズとなった
竹内美紀[タケウチミキ]
東洋大学文学部国際文化コミュニケーション学科准教授。博士(英文学)。同志社大学法学部、松下政経塾、フェリス女学院大学院卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう
32
スレーテッド3部作の1作目。記憶消去“スレーテッド”を施されたカイラ。本当の自分は誰なのか。記憶を消されるってマット・デイモンの『ボーンアイデンティティー』みたいだなぁって読みながら思ってたら、最後の解説に映画で言えばコレでしょってどんぴしゃで書いてあって、なんかまんまとな感じが悔しい。最初は嫌な養母って思ってたサンドラが結構いい人で、キャラ変がすごい。しかしあれもこれも管理されるこんな世界はいやだな。終始重い。スレーテッドとは何か、まだまだ謎は多い。あと2作か…おおぅ…。。2017/04/20
ぶうたん
15
YAディストピアSF3部作の1作目。最初の展開がもっさりしていてどうなるかと思ったが、後半はサスペンスが出て来て読み切れた。これがあと2作続くと思うと、やっぱりちょっと長いと感じるのは致し方ないところだろう。 ちなみに本書で出てくるスレーテッドと言う処置は政府から見て問題のある少年少女に対してのみ施されるのようだが、大人にはどうしているんだろうね。最近は日本も何やらキナ臭いので、現実にならないと良いな。2017/06/09
panam1927
14
★★★☆☆2017/04/18
にゃむこ@読メ13年生
13
ディストピア小説三部作の第一部。2054年、EU離脱後に超管理社会と化したイギリス。21歳以下の国民は携帯電話の所持が禁止され、16歳未満の犯罪者に対しては、矯正と再犯防止を目的に、政府による記憶消去処置「スレーテッド」が施される。物語の主人公はスレーテッドされた少女カイラ。記憶を消されたはずの彼女の脳裏に、断片的にその一部が現れる。500ページ超だが、まだ序章らしい。カイラがスレーテッドされた要因がなんだったのか。カイラの葛藤しつつ成長する姿が楽しみな物語。2021/03/21
まげぽん
13
16歳の少女が、記憶を消され新たな里親と学校、友人と過ごすうちに、過去の記憶を取り戻し…そうになる。決して完璧に思い出せず、主人公と読者は謎の中で全力疾走することになる。ディストピア小説であるが、前半は『私を離さないで』に雰囲気が近い。3部作の1作目なので、大いなるプロローグといった感じだ。実際に起こりそうな技術なだけに、背筋が少し、ぞわっとする。2017/08/22