内容説明
早稲田大学四年の早乙女香夏子には、留年を繰り返す脚本家志望のダメ男・長津田という腐れ縁の彼氏がいた。しかし、必死で就活に励んでいる間に後輩の女子が彼に急接近。動揺する香夏子だが、内定先の紳士的な先輩に告白されて…。自意識過剰で不器用で面倒臭い早稲女の香夏子と、彼女を取り巻く微妙な距離感の女子五人。傷つきながら成長する女子たちの等身大の青春小説。
著者等紹介
柚木麻子[ユズキアサコ]
1981年、東京都生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒業。「フォーゲットミー、ノットブルー」で第八八回オール讀物新人賞を受賞。2010年、『終点のあの子』でデビュー。15年『ナイルパーチの女子会』で第二八回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
305
ここまでデフォルメせんでも...と思いつつ、各大学のカラーは押さえてあるのかな。私自身、リアル友で早稲女はバイトで知り合ったひとりしか知らないけど、こんな感じだったし。にしても、ラストは納得できないなぁ。そして我が母校...こんな地味な女じゃなく、桐野さん描いた『ハピネス』に出てくる「いぶママ」の立ち位置でいって欲しかった(笑)2017/02/26
SJW
177
早稲女の主人公 早乙女香夏子を、立教、本女(日本女子大)、学習院、慶應、青学の女子力高めの女子の目線から語った連作小説。早稲田の女子はがさつで女子力が低いため、早稲男から女扱いされておらず早稲女として分類されているが、自分の経験からそうそうと納得してしまう部分が多かった。しかしここで描かれている慶應のケースは聞いたことはない。また大学のカラーは先輩から後輩に伝わるのかと思っていたが、入学前からカラーが既に出来ていると思う。私と家内と長男に、次男が対抗して早稲田に入り入学式に行ってみたが、(続く)2019/01/03
ゴンゾウ@新潮部
104
最近の学生をみていると大学ごとの個性がなくなってきたように思っていた。早稲田といえば質実剛健。自分の学生時代には早稲女ってなかった気が。本作の主人公香夏子はまさしく早稲田のイメージ。彼女をとりまく女学生も各大学のイメージにぴったりでとても楽しく読ませていただいた。自分に正直に生きてきてイタイ人生を送ってきた香夏子に幸せになってほしい。2017/02/02
hit4papa
93
早稲田女子を中心に展開される女子大生たちの恋愛事情他、を描いた連作短編集です。本作品集は、早稲田、慶応、立教、学習院と、女子大生を類型化して主役に据えています。恋愛模様から、それぞれの出身大学の個性を特徴づけているのが楽しいですね。ただ、主人公だけがひたすら迷走しているように読めます(元カレもか)。憎めないキャラクターではありますが、じれったさを感じること度々です。あらすじだけを眺めてみると、作品としては面白いものの、つまらない大学生活だったのだなぁと思わざるを得ませんね(人の事言えないのだけど)。2020/01/03
まさきち
93
東京の私立大学の世間一般で言われている気質を色濃くもった6人の女子学生、それぞれが語り部となった6編を集めた短編集。各編がつながっていて主軸となっているのが早稲女・早乙女と早稲男・長津田、元早稲男・吉沢の微妙な関係ですが、どうにもウジウジしていて目をそらしたくなる。むしろ目を引いたのは自分も学生の頃に周囲からこんな風にみられていたのかと顔を赤らめたくなるような早稲男の特徴の方でした。2017/02/02