内容説明
莫大な賄賂の金策に走る彦崎藩江戸家老の大藤主水が、刺客に襲われた。護衛の風烈与力・青柳剣一郎は主水を守り抜くが、賊の手際のよさに疑問を抱く。やがて反隆興派の内通者の存在が判明、諌めることで藩はまとまったかと思えた。だが、藩の特産品支配を狙う者の暗躍が…。武士にとって真の忠義とは。緻密な陰謀の真相究明に、剣一郎が江戸の町を疾駆する!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
61
風烈廻り与力・青柳剣一郎「真の雨(下)」31巻。下巻は加速がついて一気に読み終わりました、喉に刺さった小骨が漸くとれたら、愚かな藩主の欲のために、おのが命を犠牲に又剣一郎さんもかけがえのない友を失い無念ですでよね。2015/06/09
いつでも母さん
32
帯に偽りなし!本当に読み応えありでした。巧いわぁ、小杉作家。絡みに絡んだ糸をほぐしつつ、青痣与力に刺さった疑心暗鬼・・最後まで『信じたい』気持ちとの葛藤。いや~ドキドキしてしまいましたよ。藩主が欲を出さねば、ご家老も保之介も死なずに済んだものを。御家の為の『忠義』に涙雨か・・無念でござる。2015/06/02
夢子
16
今回は上下2冊でした。ある藩のお殿様の野心に江戸家老が 賄賂を工面して何とかしたいのだが、国家老の一派やお家断絶の危機もあり捜査1課長がまたまた活躍するのだが、武士道を通すのはなかなか難しい!2024/08/16
Western
8
悲しい結末・・・と言えばそうなのだが、藩主の野望は叶うことなく領民の為に藩の財政改革へとあいなりました。そのために何人の血が流れたことか。推理小説としても楽しんで読める秀作だったと思いました 2022/05/24
あかんべ
8
武士の問題には口を挟めない町奉行所なのに、用心棒よろしく剣一郎に依頼が来る、同時進行で殺人集団の話も進むが、二冊に分けるほどかな?2015/07/04