内容説明
一九八〇年、岡山。佐々岡鮎子は東京から引っ越してきたばかり。無理に「でーれー(すごい)」と方言を連発して同じクラスの武美に馬鹿にされていた。ところが、恋人との恋愛を自ら描いた漫画を偶然、武美に読まれたことから、二人は急速に仲良しに。漫画に夢中になる武美に鮎子はどうしても言えないことがあって…。大切な友だちに会いたくなる、感涙の青春小説。
著者等紹介
原田マハ[ハラダマハ]
1962年東京都生まれ。関西学院大学、早稲田大学卒業。伊藤忠商事、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務後、キュレーターとして独立。2005年『カフーを待ちわびて』で第一回日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で第二十五回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
368
同じく地方都市でセーラー服を着て過ごした、自分の女子高時代を重ね合わせて読みました。街のジーンズ屋、サンリオショップ、校則を破って入って食べた喫茶店のチーズケーキやメロンゼリー...。母校のセーラー服をググったら、ネットオークションで、77,777円で落札されてました。捨てなきゃよかった(笑)2017/02/25
三代目 びあだいまおう
293
『でーれー』は岡山の方言で『ものすごい』っぽい意味のようです。漫画家として活躍中の鮎子に高校時代の母校から講演依頼が届く。どうせなら当時の仲間たちで27年ぶりの同窓会もしようと誘われ東京から岡山に向かう。みずみずしい岡山の言葉で80年代の『女子高生の青春』が甦る!解説曰く、岡山出身の原田マハさんの母校が舞台とのこと、私は『大好きな人の青春』を覗き見してるような心地よさで読み進めた。が、ラストへの展開にでーれーやられました(涙) イヤだと叫んだ!熱き青春時代の友情に懐かしさを感じる同世代の方にお薦め‼️🙇2019/04/29
mae.dat
286
女性版の“黒歴史”と言う奴なのでは無いのでしょうか。“恋に恋する”とは、それなりに良く聞く事ですけど。それを真正面から捉え、そのままぶつけてくるので、おじさんは恥ずかしくてしょうがありませんでした////。最終話の落とし方も余り褒められたやり方では無い様に思いました。それは余り嵌まらなかったから、余計にそう思うのでしょうね。大人鮎子さんの担当編集者兼乙男(←「おとめん」って読むのかな?)の言動に癒されようっと。2023/03/29
しんごろ
271
原田マハさんは大好きな作家のひとり(^o^) 舞台が岡山でして、北海道ではないのかいと思いつつ読んだら面白い!映画化されるだけのことはありましたよ(^o^) ちょっと切なくすっぱく油断したら泣きそうな女友達の話!加藤いづみのアルバムをBGMでまた読みたいf(^_^)2015/07/14
hiro
213
原田さんの岡山愛を感じる‘でーれー(すごい)’という岡山弁があふれている青春小説。岡山が舞台となる小説を書くのは、原田さんと金田一シリーズの横溝正史ぐらいだろうか。漫画家として成功した鮎子が母校の女子高創立120周年記念の講演を依頼されて、岡山に‘帰る’。その岡山で、現在と鮎子が振り返る1980年が混ざり合って物語は進む。岡山に帰った鮎子が青春時代を振り返ると、懐かしくて、ほろ苦くて、失うものを多かったが、それ以上に得たものが多かった時代だったことがわかる。そんな鮎子が羨ましくなる小説だった。2014/10/29