内容説明
天下の往来で破落戸と行き違った栄三郎は、その顔に見覚えがあった。前夜、行きつけの居酒屋“そめじ”の女将・お染と話していた男だった。“取次屋”の勘であとをつけると、向かった先にはお染が。不審を覚えた栄三は“お節介”を始めるが…。やがてお染の過去と迫る危機を知った時、栄三が下す決断とは?一筋縄ではいかぬ浮世の闇に、栄三の優しさが灯をともす!時代小説書下ろし。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。以後、演劇制作と並行して舞台作品の脚本を執筆、『水戸黄門』などのテレビの人気シリーズも数多く手掛けた。2010年、『取次屋栄三』(祥伝社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
98
取次屋栄三13作目 2014.09発行。字の大きさは…小。たそがれ、老楽、奴と幽霊、深川慕情の4話。 気楽流の印可を受けた剣客・秋月栄三郎は、永井家の奥向きで剣術指南の出稽古を月2回務めている。そこには、かつて客と遊女として激しく惹かれ合った思い出を共有する、奥向きを取り締まる老女・萩江が…。「深川慕情」は、勝気で男勝りであるが、決して男になろうとはせず、強がりは言っても女の気持ちを忘れずに、時としてはっとするほど嫋やかな姐さんぶりを見せるお染…。 私は、萩江、お染と老楽の恋に落ちる…。あぁ、危ない。2020/05/19
とし
72
取次屋栄三「深川慕情」13巻。今回4編全て栄三朗さんと深く関わる人の取次物語、お染さんの過去、萩江さんとの思い、男女の仲は、なかなか上手くいかないな~良い物語でした。 2014/10/01
雅
61
人と人を繋ぐ取次屋。情に厚い栄三だからこそのストーリー。胸が熱くなる作品でした2022/07/01
み
27
さくさくと♪今作は切ないと思うことが多かったです、どれも栄三さんのお蔭で読後はジンワリ温かいです。既刊が残り少しであること判明^^;2016/03/18
ドナルド@灯れ松明の火
14
お染のために栄三郎が本気になる。硬軟取り混ぜた取次屋の本領発揮。読み応えあり。 お薦め2020/06/07