内容説明
「あの家で何が起こったのか、実際のところ、誰も知らないんだ」樹海の入り口に立つ民宿の主人は、客の反応を窺いながら満足げにうなずいた。森の奥深くにある山荘で起こったといわれる一家惨殺事件。その真相を知ろうと足を踏み入れた者が遺した「遭難記」。謎に惹かれ、また新たな若者が森の奥へと招かれた―。迷いと惑い、恐怖が錯綜する、驚愕のダークミステリー!
著者等紹介
折原一[オリハライチ]
1951年、埼玉県生まれ。早大第一文学部卒。旅行雑誌の編集者を経て、88年『五つの棺』(のちに『七つの棺』に改題)で小説家としてデビュー。95年『沈黙の教室』で第四十八回日本推理作家協会賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
149
こりゃ何とも畜生だ…第一部第二部第三部とも次々と殺されるのは畜生だし…登場人物みんな畜生だち…それが全て樹海の狂気とはいくら何でも畜生だゅ…そりゃ何か仕掛けあるのは折原さんだから畜生だー…でも真面目に分析するのは畜生だの…何と言っても最も怪しい勝ち組な民宿の主人が畜生だに…絶対に樹海で迷わない土地勘が畜生だく…でも鮎の串焼きは美味しそうで畜生だは…後半の真相解明へと繋げるのに唐突に差し込まれる意味深なカレンダーへの伏線の上手さは畜生だ?…さて、無事帰還した僕が一番気になった事柄に誰か答えてくれるかな(笑)2021/02/07
ちーたん
78
★★★☆☆【読友さんとの旅】折原さん樹海シリーズ『赤』編。『黒』に引き続き、今回は5人で旅してきました!目的地は富士の樹海!前にもお世話になった民宿に一泊。ご主人は「あの家で何が起こったのか、実際のところ、誰も知らないんだ」と山荘で起きた一家惨殺事件を語る。鮎の塩焼き🐟にかぶり付く私のそばで誰かが言った。「明日その山荘に行こうよ!」…樹海ミッション+勝者は誰?→惨劇+俺は誰?→来たる9月2日。な3部作。遭難記と俺と書けない畜生祭りだw黒同様突っ込み所は満載だけど、もはや回収する気すらない潔さがいい笑。2020/01/20
とろこ
62
『黒い森』から帰還し、『赤い森』を旅してきた。結果、かなり疲れた。章ごとに時空が変わり、集中していないと、“今はいつなのか?”が分からなくなる。起きる事件は多少の差はあれど、ベース部分が同一な為、益々混乱する。更には、何人もの〈俺〉が独白し…。正直、途中で「しつこい」と思ってしまった。が、樹海という独特の雰囲気や、血塗られた伝説、という小道具には惹かれた。また、民宿の主人の正体が気になった。そして、『黒い森』同様、ツッコミどころが多かった。2020/01/14
yomineko@猫と共に生きる
53
読みました!!!話が色々と錯綜。世にも恐ろしい樹海・・・怖かったです。2020/03/22
キンモクセイ
46
「黒い森」から無事に生還し今回は5人でいざ「赤い森」へ。前回はミステリーツアーと称して何処へ連れて行かれるかわからなかったが、今回は舞台となる山荘で起こった「鬼頭家一家惨殺事件」の場へ。第一部の「樹海伝説」のオチが笑ってしまう。くじ引きで最後に残ったのが大当たり的な感覚。第二部は山荘に越してきた一家が不穏な空気へと。樹海のせい?気がおかしくなるのは皆同じだけど、まさか事件の発端が...自分だけ取り残されたら斧を握る?第三部ここで全体のオチが判明する。実際は何だったの?オヤジの民宿では鮎の塩焼きか。2020/01/19