内容説明
角館藩士の小田野武助(直武)は、鉱山検分に訪れた平賀源内に阿蘭陀絵を見せられ衝撃を受ける。やがて江戸に出府した武助は源内の許に身を寄せ、浮世絵師・吉次郎らと交流を深めつつ蘭画の修業を開始。そんな彼に、杉田玄白らから『解体新書』の附図描きの話が持ち込まれた…。夭逝した日本蘭画の先駆者の、謎に包まれた生涯を、大胆な推理で活写した歴史人物伝。
著者等紹介
城野隆[ジョウノタカシ]
1948年、徳島県生まれ。大阪教育大学卒。教員生活を経て、99年に「月冴え」で小説NON(祥伝社発行)創刊一五〇号記念短編時代小説賞を受賞し、文壇デビュー。2000年に『妖怪の図』で第二四回歴史文学賞を、05年には『一枚摺屋』で第一二回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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財布にジャック
51
解体新書を描いた絵師の小田野直武の生涯を描いた作品でしたが、同時にエレキテルで有名な平賀源内、そして日本初の銅版画家の司馬江漢の生涯もそこには書かれていました。絵師としてのサクセスストーリーを読める楽しみは勿論ありましたが、途中から雲行きが怪しくなり、この時代の政治的背景が登場人物達に重くのしかかり、読むのが辛くなりました。こんな結末が待っていようとは夢にも思わず、才能ある人々にも生きにくい世の中だったことに憤りさえ覚えました。2013/06/10
イーグルボーイ
0
小田野より源内が主役といった感じ。何故日本人は写実の技法を独自で生み出せなかったのか不思議だ?2017/01/04