内容説明
幕末の志士がそろった「フルベッキ写真」。その真贋を求め、各地を巡る望月真司は奈良県吉野で南北朝の謎、佐賀で「佐賀の乱」に隠されたものに気づく。だがその時、彼の邪魔をしようとする集団の姿が!?それでも望月は調査を進め、長崎、鹿児島、山口県柳井へと赴く。そして辿り着く明治政府、天皇家の隠された驚愕の事実とは。明治維新の舞台裏を暴く、幕末ミステリー。
目次
6 大隈重信の沈黙(グラバー邸の謎;追われた公家 ほか)
7 闇の中の天皇(「梟」;隠蔽 ほか)
8 明治新政府の陰謀(「玉」を操る一派;「すべて」を知っていた女 ほか)
9 解かれた封印(もう一人の追跡者;過激思想 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルちゃん
40
なんとっ!めちゃくちゃ面白かった!もしそうだったら、いやもう、そうなんじゃないかって笑 作者様のあとがきが、また刺さりました。すごい本を読めました。他の本も読みたくなる。2024/01/22
とも
32
★★★★☆1枚の写真が最後には驚くべき結論に達する。おそらくひとつひとつ検証していけば、相当に怪しいトンデモ本なのかもしれないが、それでも多くの歴史が時の権力者により改ざんされているというのは事実であろう。そうやって楽しむ気持ちで読めば、相当に面白い。大久保利通/岩倉具視の裏の顔、佐賀の乱や西南戦争の本当の理由、西郷さんの素顔、吉田松陰の裏の顔等々。昨今明治維新の裏で海外列強主導とする作品は多数出版されこの作品も同じではあるが、最後にはその海外を追い出したとする作者の結論に救われる思いに最高の評価とした。2017/10/28
ロマンチッカーnao
31
この本はあくまでも小説で、歴史書ではないんですけど、一瞬勘違いしそうになりますね。で、上巻で南北朝時代の話がでてきたところだったのですが、そういや、南北朝時代で北朝が勝ったから、今の天皇家は北朝なんですよね。そう思うと歴史って繋がってるんですですよね。当たり前ですけど。それと佐賀の乱の江藤新平。大久保利通と並び明治を作った人だと思うんですけど、大久保は政治で国を作ろうとし、江藤は法で国を作っていこうとした。そんな優秀な江藤がなぜ、佐賀の乱を起こしあっけなく敗れ、殺されたのか。興味深い所を突いてくる本です。2019/03/16
sayan
23
なぞを明らかにしていく過程は、南朝・北朝までにさかのぼる。そして、様々な「秘密結社」が登場し、調査を妨害する。ストーリー展開的には嫌いではない。こういう視点での物語りと楽しむことはできる。が、その裏づけとなる検証作業があまりにもお粗末。この写真に写っている人物を歴史上のだれだれと特定していく作業とその方法が主観的そのもの。比較をするような箇所もあるが…うーん、と思わざるを得ない。そのあたりで、読み進める興味が薄くなる。むしろ、南朝・北朝をめぐる「文字だけ」のストーリーのほうが迫力あり面白かった。2017/10/01
A
20
面白かった。日本史のタブー、そこへ近づいて行くことへのリスク。すり替え説は以前から知ってましたが、真実は何のか。大衆は無知で無責任ですね。自分もですが。2019/04/18