内容説明
青柳剣一郎は、漆原主水正が福井藩御用達の廻船問屋『三国屋』と、女を集めて怪しげな宴を催していた事実を暴く。やがて、福井藩出入りの紙問屋『越前屋』でも殺しが発生。探索の末、すべては福井藩の十万両の借入金に端を発することを突き止めるが、敵は漆原と共謀し、権力を盾に南町奉行をも陥れんとしていた…。巨悪に立ち向かう、剣一郎の裁きやいかに。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。『絆』で日本推理作家協会賞を、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。以降、社会派推理、時代小説などを執筆し、幅広く活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベルるるる
18
不浄役人と呼ばれても、身分を考えろと脅迫されても、剣一郎は立ち向かう。そしてそれを支える宇野清左衛門。このシリーズが気持ちよく読める理由のひとつは、剣一郎が孤独に頑張るんじゃなくて、上司の宇野、親友の左門、下で働く同心が、一致団結して悪行は許さないと邁進する姿。その支えがあるから剣一郎も命をかけて頑張れる。2016/12/15
夢子
17
珍しい上下のあるもので青柳剣一郎が、老中あたりにも関わり大変なことになって大活躍でした。地方の小さい藩の武士は意外とお給料も藩の財政が厳しくて支払われなくて貧乏な生活なんですよねー武士は食わねど高楊枝って本当ですね。駒扱いされて可哀想でした2024/09/03
めにい
6
正しすぎる剣一郎!まだまだ推理力探索力は素晴らしいが、そろそろ違う展開もほしい所。これってまだまだ続くんですよね。どう変化していくのか気になる。2014/06/08
nyaboko
5
久し振りに親父大活躍で、更に筋を通そうと頑張る姿に声援を送りたくなった。というか、かっこいいなぁ♪ 剣一郎ももちろんだけど、彼を支える宇野清左衛門も好きだな。これからも活躍して欲しいけど、どうなるかしら?2013/02/04
Western
3
かなり大きな相手との戦いでしたね。 老中相手に一歩も引かない剣一郎の意気込みがついに南町奉行にまで伝染してしまった様子に一種の感動さえ覚えます。 経済破綻の藩財政の為に行われた犯罪までもなんとかうまく丸め込んでいった作者の筆力に感服です。 随所に薬味を効かせた点も読者を飽きさせない配慮に満ちてよかったです。 2022/06/14
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