内容説明
「町の娘に惚れてしまいましてな」懇意の旗本用人深尾に言われ、秋月栄三郎は驚く。だが、惚れたのは分家の若様だと知って、栄三郎は二度びっくりする。娘の身辺を探ってほしいと依頼された栄三郎は、娘の気立てにたちまち魅了され、若様と娘の恋の成就を願う。ところが、そこに立ちはだかったのが、若様の養育係だった。人と人とを結ぶ。“取次屋”の首尾やいかに。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九〇周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。以後、演劇制作と並行して舞台作品の脚本を執筆する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
100
取次屋栄三シリーズの3作目。 2011.04発行。字の大きさは…小。 辻斬り、人形の神様、若の恋、浅茅ケ原の決闘の4話。 手習いの師匠と剣術道場の師範を兼ねる、気楽流の印可を受けた剣客・秋月栄三郎は、内弟子・雨森又平、剣友・松田新兵衛とで取次屋に来る依頼を人情味たっぷりに…。 旗本三千石の永井勘解由の用人・深尾又五郎の取次依頼で、永井勘解由の弟・内蔵助の嫡男・辰之助の「若の恋」が、此度は一番である。→2020/04/11
み
33
面白かったぁ♪悪い奴は罰せられるのが爽快です。若の恋の栄三郎さんと萩江さんも、最後の七郎も切ない、上手く行く日は来ないのかしら。読み進みます(^o^)2016/01/04
ベルるるる
30
表題作の「若の恋」の若が優しく賢い良い若者。そしてこの「若」を育てた用人の大山甚兵衛が不器用だけど一徹者のいい「爺 イ」なのよね。楽しく読了。2018/10/04
ドナルド@灯れ松明の火
20
3冊目。相変わらず栄三郎を取り巻く登場人物による人情溢れる話が繰り広げられる。各話も色々なプロットが、よく考えられ読後は、勧善懲悪であっても優しい気になれる。お薦め2020/03/16
とく たま
19
市井の者、武士にとらわれず、人を取り持つ取次屋!剣劇あり恋あり友情あり。表題の若の恋他3話の取次にほろりほろりと心が揺れる。ト書きがナレーションのように耳に届く。脚本家としての岡本さとるの真骨頂か?勧善懲悪、ハッピーエンドに嫌味がない。こう在りたい人々と、バカな悪人たちが、読者の心を揺らせてゆく。2016/10/15
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