内容説明
最愛の叔母が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには80年代、高校生だった叔母の青春が描かれていた。読み進めていくうちに、朝美は叔母のある男の子への想いを知る。独身を貫き、「恋ならしている」そう言い続けた叔母の生涯を懸けた恋とは。涙なしには読めない、感動の純愛ミステリー。
著者等紹介
五十嵐貴久[イガラシタカヒサ]
1961年東京都生まれ。2001年「リカ」で第二回ホラーサスペンス大賞を受賞し、デビュー。警察小説から時代小説、青春小説まで、幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mmts(マミタス)
104
五十嵐貴久さんの著作では、かなりレアな本格的なラブストーリーでした。いわゆる日韓問題について、あらゆる観点から問題提起がありました。ラブストーリーですが、それゆえに最高傑作だと思いました。一度目の江ノ島、卒業式後の放課後、新幹線のプラットホームでの出来事に胸キュンしました。生々しい表現がない分、初々しい初恋には感動したり、もしくはドキドキしました。久し振りに小説で泣きました。先日は酷評して、ごめんなさい。生き別れの双子は韓流らしいストーリーだと思いました。オススメだと思いました。忘れません。2017/05/18
りゅう☆
95
急逝した叔母冬子の遺品の中に彼女の高校大学時代の日記を見つけた朝美。80年代、まさに自分と重なるので読んでて懐かしい。そこには無口でクールな転校生藤城に恋をした冬子の思いが綴られていた。きっと相手も同じ思いのはず、告白には最高の演出なのに二人は…。一方、映画雑誌編集者の朝美は韓流スター、フィル・ウォンの取材を担当。取材拒否で有名な彼の取材をやっとこぎつけたのに予期せぬ事態にこちらまで撃沈。交差する過去と現在。もうね、冬子の純粋な恋の行方と朝美の仕事の展開が気になってしょうがない。生涯を通じてのただ一度の→2021/06/07
財布にジャック
63
五十嵐さんこういう作風の作家さんじゃないですよね?どういう心境の変化なんでしょう?恋愛物ですよ?それもピュアな純愛物で、少女マンガ読んでる気分にさせられました。しかし、それがなかなかどうして、予想に反して良かったんです!ラストの方では、じ~んと来ちゃいました。人を好きになることは素晴らしいことだと心から思える良いお話でした。2011/12/14
harupon
57
最愛の叔母冬子が急死して、遺品から日記を見つけた朝美。映画雑誌の編集者で忙しく働く朝美の物語と日記に書かれた80年代の冬子の青春物語が進行していく。冬子は独身を貫きつつ「恋ならしている」と言っていた。最後の最後に朝美が知らなかった冬子とのある接点が解き明かされるミステリー。購入本で良かった。また読み返せる。書店員林毅さんの解説もすごく良かった。五十嵐さんの大ファンらしき絶賛ぶり。この本読んで、私も益々ファンになりました。2021/01/29
GAKU
57
前半から中盤までは、今一読み進まなかった。しかし後半からは一気読み。総評はまぁまぁでした。ちょっと出来すぎなストーリー。純愛小説ってこんなものなのでしょうか?普段読まないからあまり分かりません。2020/03/08