内容説明
深川の新太郎と尚平は息の合った若い駕篭舁き。ある日、尚平のもとに想い人おゆきをさらったという手紙が届く。堅気の仕業ではないと考えた新太郎は、博徒の親分・恵比須の芳三郎を訪ねた。筆跡から、かどわかしには札付きの渡世人・弥之助が関わっていることがわかるが…。二人はおゆきを無事救出できるのか?好評「深川駕篭」シリーズ、待望の第二弾。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年、高知市生まれ。様々な職業を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。02年、『あかね空』で第百二十六回直木賞を受賞する。江戸の下町を舞台に、市井の人々の真っ直ぐな生き方を描いて多くの読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tengen
29
深川駕篭シリーズ第2弾。進展しないおゆきと尚平に悶々とする新太郎。読んでるこちらも悶々する。☆篠田屋から出火、火は小網町に向かっている。そこには新太郎の実家である杉浦屋があった。勘当された身だが新太郎は現場へ駆ける。☆二人は飯屋で材木屋丸木屋を狙う策略を小耳にはさむ。丸木屋の用心棒を務める芳三郎一家と材木置き場で網を張る。☆浅草寺仲見世に足を運んだおゆきと尚平だが口論になってしまう。その帰りにおゆきは何者かにさらわれる。心の中で口論を後悔する二人。誘拐の犯人とその目的は?☆彡紅蓮退治/紺かすり/お神酒徳利2024/06/17
コージー
16
新太郎にも気になる女性さくらが現れた。そして尚平とおゆきの恋の行方は?ますます面白くなっていきますね。一力さんの作品読むたびに、信念を持って真っ直ぐに生きていきたい、と思う。2015/10/01
シュラフ
13
江戸深川の駕籠かきである新太郎と尚平の友情の物語。新太郎は尚平の恋の行方を心から心配し、尚平は新太郎のことを常に案じる。お互いに打算というものがない無欲の交わりの様子が美しく、"男の友情っていいね"と思わせてくれる。物語の脇を固める登場人物たちもよい。小うるさいが人情家である長屋の大家である木兵衛、賭場の貸元の芳三郎、新太郎と尚平が思いを寄せる おゆき と さくら もよい。2014/06/28
藤枝梅安
10
深川の駕籠かきコンビ、新太郎と尚平のシリーズ。今回は、新太郎が「二日間は怒らない」と深川不動に願掛けをしたところから物語が始まる。尚平とおゆきを添わせたい、それが新太郎の願いだった。その願いを知ってか知らずか、尚平とおゆきは相変わらずのじれったい関係を続けている。ある事件が発端で、新太郎の願掛けは失敗に終わる。その事件を探るうち、さらに奥深い事件に巻き込まれていく新太郎・尚平・おゆき。今回も貸元・今戸の芳三郎と代貸の源七の力添えを得て、難事件を解決していく爽やかな二人の男の物語である。2009/07/29
ひらちゃん
7
深川駕籠かきシリーズ2作目。新太郎と尚平の友情も相変わらず。おゆきと尚平のなりゆきももどかしい。さりげなく応援してる新太郎もいいなぁ。2015/01/10