内容説明
経営不振の割烹居酒屋『やすべえ』の店主ヤスは、ある人物を雇って欲しいと常連客に頼まれた。それはなんと、片倉という県庁の役人。居酒屋に天下った片倉は元役人の事務能力を発揮、食材の一元管理と仕入れの効率化で店を黒字に転じた。勢いにのった片倉はヤスに店舗拡大を唱え始めるが…(『天下り酒場』)。『床下仙人』でブレイクした著者が放つ、現代日本風刺小説。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年、長野県に生まれ、茨城県水戸で育つ。現在千葉県在住。現代のサラリーマンを風刺した『床下仙人』(祥伝社文庫)が書店員の熱烈な声により、ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
127
本屋で見かけて新規開拓の作家さんです。 短編集はあまり読みませんが、これは面白かった。ありそうなあり得ない話ですね。他の作品も読んで見ます。2016/02/05
佐々陽太朗(K.Tsubota)
122
初・原宏一である。知人I女史からの借り本。確かに奇想です。何とも云えず嫌なテイスト。たまにはこんなのも良い。私は基本ハートウォームなものが好きなので、原氏の他作を読むかどうかは微妙。本書に収められた6作の中では「昼間の盗聴器」が好み。少しだけ心が和んだ。後は・・・。「ボランティア降臨」なんてのは、何とも云えず不気味で嫌な味。ただしこの不気味さはは二度と忘れることはないであろう味。原氏はそうしたものが書きたかったのでしょうから、短編小説として成功しているかな。2016/08/16
ゴンゾウ@新潮部
113
現代人の抱える病巣を切り取った短編集。こんなことありえないと思いながら何となく納得してしまう。ピリッと山椒のように風刺が効いている。独特な世界観で初めての読後感。2016/11/08
Yunemo
113
収録されてる6編、確かにあり得ない設定、でもあり得るかも、と仄かに想わせる語り口というか記し方。それぞれに下地に毒があって、ピリッとくる感覚あり。天下り役人が考えそうなこと、趣味以外の何でもない資格取得亡者、会話不足夫婦へのとびっきりの道具、腹が座った女の行く就く先、こんなビジネスがあるなんて、壊れ始める人間、等々、よく思いつくもんだ!読後、頭の中で叫んだ第一声。でも、確率的にも、やっぱりあり得る事象なんだろうね。途方もないことを考え実行する術、ある意味淡々としていて、恐怖感がジワジワと忍び寄ってきます。2016/05/05
相田うえお
113
★★★★☆ 当方、歯を磨く時は超音波歯ブラシ使ってたんですが、これ、振動があるからよーく磨いた気になってしまい、正しく使用しないとブラシがあたってないところがあったりで、今は普通のにしてまーす。で、最近、親不知抜いたんですよ。親に教えてたら親知ってるになったわけで、非常に残念。(何が残念なのか?自分に突っ込む)。話変わりますが資格ゲッターっていますよね。これ自体、否定はしませんが沢山色々な資格を持ってても、結局は実践でなにができるかが重要ですよね。なーんか、出来る人間は何やらしてもうまくやるんですよ。2016/04/22