内容説明
江戸の夏の風物詩―杉の青葉などをいぶして蚊を追い払う蚊遣り火。それを庭で焚く女の姿を、松幡橋の袂からじっと見つめる若い男がいた。前夜、橋向こうの小間物屋の主が殺された。若い男の不審な佇まいに平七郎は素性を洗う。やがてその男清吉と、蚊遣り火の女おちかの悲恋が明らかになると同時に、新たな疑惑が…。橋廻り同心平七郎の人情裁きやいかに。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。シナリオライターとして活躍する傍ら、小松左京主宰の「創翔塾」で、小説を志す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベルるるる
18
三話からなる短編集。どの話も一応、解決するし、一応ハッピーエンド?らしき終わり方。でも男の情けなさとか女の薄情さとか、モヤモヤとしながら終わる。それを救うのは平七郎や秀太の誰に対しても公平であろうと頑張る姿。上役のせいで、理不尽な立場に追い込まれている平七郎が、投げやりにならずにお勤めに励む姿は、こちらも励まされる。2016/04/14
ぶんぶん
4
蚊遣り火を松幡橋から見つめる男、平七郎は不審に思うが…やがて男・清吉と蚊遣り火の女・おちかの悲恋が明らかになる。橋廻り同心・立花平七郎の七作目、巷の哀しみを絡めて捕れば、残るは優しさかそれとも…2014/08/23
定年おやじ
1
結婚を迫られる平七郎ですが…、おこうと早く落ち着いてほしいものです。事件は今回もめでたく解決です。2019/04/07
らいむ
0
OOO 東京は今も川で囲まれていて、江戸時代には橋廻り同心というお役目があったそうです。 主人公は町の情報を集める密命を受け、日々問題解決にあたるものがたり。 この欲のない感じの同心は、元々能力のあった人。廻り巡って橋廻りとなり、能力を発揮します。 こういうお役人様だったら、今の時代住みやすいだろうなぁ。
みいちゃん
0
秀太の幼馴染み、清吉とおちかの悲恋。突然の平七郎への旗本の娘との縁談。どうなるおこうとの仲・・2013/06/20
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