内容説明
友右衛門が市中引廻し、斬首のうえ晒し首にされた。「おとっつあんは無実なんです」お弓の悲痛な叫びに、親子と親しい青柳剣一郎の胸は痛んだ。一度下された裁きは撤回されない。だが、もし冤罪だとしたら?奉行所で孤立しながらも再捜査する剣一郎。一方、お弓の兄も人殺しの濡れ衣を着せられる。兄の斬首執行が刻々と迫るなか、真相究明に剣一郎が奔走する。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年に「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞し作家活動に入る。その後『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。以降、社会派ミステリー、時代物など数多く発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベルるるる
18
冤罪を覆す難しさ。無実なのに処刑されていく男。重苦しい展開。読んでて辛い。2016/11/25
アンベラー
6
時代劇版冤罪 おゆみの訴えを青柳剣一郎は上に吟味するよう働きかける 家族も自分たちを犠牲にしても助けようとする姿にも涙最後の首切り場でストップがかかる場面でも涙です 最後はチョット出来過ぎかなでも、よかったよかった2019/07/07
昌子♪♪
2
入り組んで入り組んで…!?大どんでん返し!そりゃないけど、ホッとしました。2017/08/13
立て邦彦
2
読んでて、はらはらで、ストレス大きい。なかなか事態が好転しない。もうイヤって感じ。もう少し、楽しく読める展開にして欲しかった。犯人はちょっと、意外性あったけど。。。取調べの与力もあそこまで意固地になるのはちょっと、どうかと。2013/12/29
Western
1
急転直下の結末過ぎるのでは?組織としての奉行所としてはあるまじき事件。 暗い冤罪事件の始まりで江戸時代の処刑を描きたかったのかもしてないが・・・・。 証人たるべき人物が次々と殺されて口封じされてゆき、最後は証拠ではなく直感から冤罪は防がれるが、前半の展開からは到底なっとがいかない。 主犯者の自白もあまりにも唐突な展開で明白となる。 このお話が出た時点で本シリーズの人気が落ちたのではないかと推察。 どうしてドラマ化なしで50作以上続いたのか不思議だったが、初期にこの体たらくでは・・・・。2022/06/08