内容説明
「狙うは一千両以上、押し込み先は皆殺し」そんな大盗賊夜烏の十兵衛が江戸に舞い戻ってきた。五年前、風烈廻り与力青柳剣一郎によって組織を壊滅させられたその復讐のため、あえて犯行予告するという大胆さだった。見せしめとして惨殺される盗賊仲間、若手与力の不可解な行動…江戸八百八町の何処で何時?刻々と刻限が迫るなか、剣一郎の焦りが募る。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年に「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞、作家活動に入る。87年『絆』で日本推理作家協会賞、89年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。以降社会派推理、時代物など数多く発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢子
18
今回は青柳剣一郎の息子、剣之介のお話です。見習いの剣之介は父親の立派さに上なものにチヤホヤされていると、同僚に疎まれて意地悪をされています。どこの世界にもそういう人はいるんですね。捜査一課長の息子はめげずに事件解決に頑張りました2024/07/13
ベルるるる
14
同じ次男で部屋住みだった源次郎は、与力となった剣一郎を妬んでいる。盗賊の首領だった立場を貶められた夜烏の十兵衛は剣一郎に復讐を誓っている。この二人が組み、剣一郎と心理戦を繰り広げる。その心理戦に、若い与力の清十郎が利用される。清十郎をそこまで追い詰めたのは若い与力達のいじめ。剣之助も父のせいで同僚から妬まれ疎外される。いろいろなテーマが込められていた今作。なかなか読みごたえがあり面白かった。最後に清十郎が救われたのも、剣之助が勇気を振り絞って先輩与力達に声をあげたからだね。2016/11/25
アンベラー
5
これは6作目なんですね 読むごとに中村吉右衛門の顔が頭に浮かびますわ そして人はやっかむと言う感情を持ってしまうものそれを表に出すか何かで消化させることができるかということなのでしょう 事件解決つはうまい具合に奥方の人徳で上手く行きました2019/06/09
山嵐電撃吹雪拳
3
前巻「七福神殺し」の中の七福神一味は義賊の一面があったが、本巻の夜烏は極悪非道の盗賊。それに知恵を貸す旧友に悩む剣一郎と、職場のパワハラに悩む息子剣之助。いつの世も怖いのは人の妬みややっかみだね。2024/11/01
昌子♪♪
1
苛めは…!救いがあるのがいいよなぁ♪2017/08/12